【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26719.13  ▼34.04 (6/21)
NASDAQ: 8031.71  ▼19.63 (6/21)

1.概況

先週末の米国市場は米商務省が中国のスーパーコンピューター製造企業など5団体を禁輸対象に加えると発表するなど中国企業への制裁追加が相場の重石となるなか利益確定の売りが出て5日ぶりに小幅反落となりました。4ドル安と前日終値近辺でスタートしたダウ平均は早期の利下げ期待やペンス米副大統領が中国に関する政策演説を延期したと伝わったことなどを材料にまもなくして買いが優勢になると昼前に154ドル高の26,907ドルまで上げ幅を広げ昨年の10月3日に付けた史上最高値(26,828ドル)を一時上回る場面もありました。しかし、その後利益確定の売りに押され上げ幅を縮めると引けにかけてマイナスに転じ結局34ドル安の26,719ドルで取引を終えています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も19ポイント安の8,031ポイントとなっています。

2.経済指標等

5月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比2.5%増の534万戸となり市場予想を上回りました。一方で6月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.1となり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や資本財・サービス、情報技術などの7業種が下げ、不動産が1%以上下落しました。一方でエネルギーや公益事業などの4業種が上げています。

4.個別銘柄動向

米商務省による中国のスーパーコンピューター製造企業に対する新たな禁輸措置を受けて半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が3%安となりました。また、半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)も目標株価の引き下げを受けて2%以上下げました。さらにTモバイルUS(TMUS)によるソフトバンクグループ(9984)傘下のスプリント(S)買収計画に反対する訴訟に新たに4州が原告に加わったことで、スプリントが7%以上下げたほか、TモバイルUSも3%近く下落しています。

一方で原油価格の上昇を受けてエクソンモービル(XOM)が1%以上上げたうえ、シェブロン(CVX)も堅調でした。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.03%高い2.05%となりました。ドル円は107円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は先週末の米国市場が小幅な下落に止まったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日もドル円の動向に神経質な展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)