【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26753.17  △249.17 (6/20)
NASDAQ: 8051.34  △64.02 (6/20)

1.概況

米国市場は早期の利下げ期待が引き続き好感され4日続伸となり、S&P500株価指数が史上最高値を更新しました。161ドル高でスタートしたダウ平均は取引開始直後に260ドル高近くまで買われたあとイラン情勢への警戒感から上げ幅を縮め昼過ぎに35ドル高まで弱含みましたが、その後持ち直し再び上げ幅を大きく広げると取引終盤には294ドル高まで上昇しました。結局ダウ平均は249ドル高の26,753ドルで取引を終え、昨年の10月3日に付けた史上最高値(26,828ドル)まであと75ドルに迫っています。

また、S&P500株価指数が27ポイント高の2,954ポイントとなり4月30日に付けた史上最高値(2,945ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も64ポイント高の8,051ポイントと節目の8,000ポイントを回復し、5月3日に付けた史上最高値(8,163ポイント)まであと112ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比6000件減の21万6000件となり市場予想を上回る改善となりました。一方で6月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は0.3と前月から低下し市場予想も大きく下回りました。5月の米景気先行指標総合指数も前月比変わらずとなり市場予想を下回りました。また、1-3月期の米経常収支の赤字額は前月比9.4%減の1304億300万ドルとなっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもエネルギーが2%を超える上昇となったほか、資本財・サービスと情報技術、素材も1%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げました。そのなかでもユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)とキャタピラー(CAT)、シスコシステムズ(CSCO)、ナイキ(NKE)が2%を超える上昇となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、ソフトウエアのオラクル(ORCL)が決算が市場予想を上回る増収増益となったことで8%以上上げたほか、金鉱のニューモント・ゴールドコープ(NEM)も金価格の上昇を受けて3%を上回る上昇となっています。

一方で電気自動車のテスラ(TSLA)が目標株価の引き下げを受けて3%安となりました。クルーズ船大手のカーニバル(CCL)も決算で通期の1株利益の見通しを引き下げたことが嫌気され7%以上下落しました。さらに家具のスチールケース(SCS)が決算で売上高と1株利益が市場予想を下回ったことで急落し11%余り下げています。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの2.02%となりました。ドル円は107円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場が上昇する一方で円高が進むなど強弱材料が入り混じる格好となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか買いが優勢となった場合には日経平均が節目の21,500円を回復できるかが、反対に売りが優勢となった場合には昨日回復した75日移動平均線(昨日時点で21,432円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)