米ドル/円 日足
週間予想レンジ:108.30~109.50
メインストラテジー:押し目買い
・米中対立は長期テーマ、目先は食傷気味で下値限定
・108円大台の維持もあって、底固い推移も
・「オーバーシュート」の状況、なお改善されず、リバウンド継続
アナリシス:
先週小幅反発、週足では「星線」を形成していた。既述のように、108円大台の維持自体がサインと化し、先々週に続き、先週もリスクオフの流れを一服させた。小幅下落、108円関門を一旦割り込んでいたものの、終値をもって回復した。
もっとも、年初来安値を起点とした全上昇幅に対する0.618フィボナッチ押し位置は108円関門前後を示している。この位置は反落の目途として測りやすく、ショート筋の目標達成感を漂わせる。
さらに、度々指摘してきように、108円関門の打診や割り込み自体、テクニカル視点における「オーバーシュート」の状況も一段と強まったわけだから、下げ一服または下値余地限定が当然の成り行きであった。年初急落時と同様な「売られすぎ」が観察されただけに、先週の値幅限定を最初のサインの一部と見なす。
日足では、6月5日の安値更新、またその後一転して陽線で大引け、さらに強気「リバーサル」の点灯が目先においてもっとも重要なサインであったことは、前回のコラムにて指摘済み。これから安値更新しない限り、リバウンドが継続するだろうといった見方の通り、先週の保ち合いはその結果と見なす。
6月11日の高値トライ、一旦108円後半の抵抗を確認したものの、6月14日にて再度強気「リバーサル」のサインを点灯し、108円前後におけるサポートを最後確認した。また徐々に切り返してきたことを暗示し、当面底固い推移の可能性を示唆している。
この場合、当然のように、6月11日高値108.81円の打診やブレイクが想定され、また同打診をもって109円前半の抵抗をトライするだろう。反面、5月31日の大陰線に鑑み、109円台前半から同半ばまでが強い抵抗ゾーンと見なされ、何らかの一直線な打診やブレイクも容易ではなかろう。
ドルインデックスも先週再度大きく切り返し、外貨安を通じて、主要クロス円における円高圧力も推測され、また同傾向が一段と強まってくれば、引き続き米ドル/円の頭を押さえてくるだろう。メインシナリオとして、引き続き押し目買いのスタンスを維持するが、目先の高値追いは避けたい。
豪ドル/円 日足
週間予想レンジ:74.50~75.50
メインストラテジー:押し目買い
・対ドルの下落が継続、連れ安でも目先一旦限界に近い
・75円関門割れを果たしたことで、ショート筋の目標達成感が強い
・オーバーシュートの状況、年初来の急落時と同様、リバウンド先行か
アナリシス:
先週、再び安値を更新し、地合いが一段悪化することを示唆した。一旦76.33円の高値をトライしてから続落しただけに、週足では弱気「リバーサル」のサインを点灯し、下落波の継続を示唆している。もっとも、先週は豪ドル/米ドルが大幅反落、豪ドル/円は連れ安の側面が大きかったが、安値更新自体、一段と「オーバーシュート」の度合いを深刻化させた。
既述のように、75円関門割れ自体が年初来急落時と同様、「オーバーシュート」であった上、ショート筋にとって目標達成が強かったはずだ。75円台大台前後のターゲットは計算通りだったので、従来のロジックを証左したと言える。しかし、逆説的には一旦下げ止まりになりやすい水準であった。
先週は再び安値を更新し、同逆説を否定する側面も無視できないものの、4月高値を起点とした下落波の延長、また「クライマックス」として位置づけるから、見方は変わらない。
とはいえ、目先の下値リスクを引き続き警戒しておきたい。6月10日の陰線は典型的な「スパイクハイ」、また弱気「リバーサル」のサインをもって上値打診の失敗を示唆している。
5月末の高値に対するブレイクの失敗も示唆する「フォールス・ブレイクアウト」でもあったから、その後の続落をもたらしたわけだ。75円関門の下値打診をもって同サインの効き目を大分消化したとはいえ、底打ちが確認されるまで再び安値を更新する可能性がある。
反面、前記のように、4月高値を起点とした下落波、すでに「クライマックス」の段階に入り、5月17日安値から6月3日安値を連結するサポートラインの制限もあって、下値打診があっても制限されるだろう。
米ドル/円の下落一服と相まって、近々再度底打ちを図る可能性も無視できない。ただし、サインの点灯なしの性急な判断は避けたい上、仮に底打ちがあっても75円台前半~同半ばは抵抗ゾーンとして意識され、また当面頭重いだろう。地合いの改善は、豪ドル/米ドル次第の側面が大きく、また時間がかかる見通しだ。