【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26089.61  ▼17.16 (6/14)
NASDAQ: 7796.66  ▼40.47 (6/14)

1.概況

先週末の米国市場は鉱工業生産や固定資産投資などの中国の経済指標が市場予想を下回る低調な内容だったことを受け小幅に下落しました。30ドル安でスタートしたダウ平均は一時118ドル安まで売られましたが徐々に下げ幅を縮めると取引終盤には一時プラスに転じて55ドル高まで上昇する場面がありました。引けにかけて再度マイナスに転じたダウ平均は結局17ドル安の26,089ドルで取引を終えました。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は40ポイント安の7,796ポイントとなっています。

2.経済指標等

5月の米小売売上高は前月比0.5%増となりました。前月比の増加率は市場予想を下回りましたが、前2ヶ月分が上方修正されるなど堅調な内容でした。また、5月の米鉱工業生産は前月比0.4%増と市場予想を上回る伸びとなりました。

3.業種別動向

S&P500業種別指数は公益事業やコミュニケーション・サービス、不動産などの6業種が上げました。中でも公益事業は1%近く上昇しました。一方で情報技術やエネルギー、素材などの5業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均を構成する30銘柄中16銘柄が上昇しました。中でもホーム・デポ(HD)とベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)が1%を上回る上昇となりました。一方で中国の弱い経済指標を受け中国依存度の高い銘柄が売られ、ダウ(DOW)が3%超、シスコシステムズ(CSCO)が2%超の下げとなっています。アップル(AAPL)も1%近く下げました。

ダウ平均構成銘柄以外では半導体株の下げが目立ちました。今期の売上高見通しを下方修正した半導体メーカーのブロードコム(AVGO)は5%以上下落しました。アドバンスド・マイクロ・デバイシズ(AMD)が3%超下げたほか、エヌビディア(NVDA)とマイクロン・テクノロジー(MU)がそれぞれ2%超下げています。半導体関連銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数は2.6%の大幅安となりました。

5.為替・金利等

米長期金利は前日比0.01%低い2.08%となりました。ドル円は108円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国株安を受け本日の日本市場も軟調なスタートが予測されます。米国市場で半導体関連株が大きく売られた流れを受け日本市場の関連銘柄も軟調な展開が予想されます。こうしたなか売り一巡後に日経平均が底堅さを見せるのかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)