東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は先週末の米国市場が大幅高となったことや米国がメキシコへの関税発動を見送ったことを受けて続伸となりました。日経平均は210円高の21,095円と節目の21,000円を上回って寄り付くと取引開始6分後には265円高の21,150円まで買われました。朝方の買いが一巡し10時15分に193円高の21,077円まで上げ幅を縮めた後はしばらく21,100円を挟んで揉み合いましたが、後場に入って14時ごろに再び上げ幅を広げると281円高の21,166円まで上昇し本日の高値を付けました。

その後も21,100円を上回って堅調に推移した日経平均は結局249円高の21,134円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに続伸となっています。

2.個別銘柄動向等

東レ(3402)が6.2%高と大幅高となりました。血液1滴から様々ながんを発見する検査キットを2019年中に厚生労働省に製造販売の承認を申請する予定で、優先的に審査する対象に選ばれていることから2020年にも承認される可能性が高いと伝わったことで買いを集めました。また、米国がメキシコへの関税発動を見送ったことを好感して自動車株が堅調でした。

しかし、上値は伸び悩みました。米国に工場を持たず米国での販売をメキシコからの輸出に頼るマツダ(7261)は買い気配で始まり3%高で寄り付きましたが、トランプ大統領がメキシコへの追加関税を課すと発表する前の水準を回復したこともあって上げ幅を縮め引けは1.1%高となっています。日産(7201)も2.1%高まで買われる場面もありましたが0.8%高で引けています。

一方で下げが目立ったのがエイチ・アイ・エス(9603)で13.4%安と急落しました。先週末の取引終了後に発表した決算で第2四半期6カ月間累計の営業利益は前年同期比で17%の増益となりましたが、第2四半期3カ月間では15%の減益となったことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は節目の21,000円を回復しましたが、朝方の買い一巡後は25日移動平均線(21,101円)の攻防となりました。結果は25日移動平均線を上回っての引けとなりました。このため調整一巡への期待も高まりますが、こうしたなかで次は5月に戻りを試す局面で上値を押さえられた75日移動平均線(21,451円)や一目均衡表の雲を超えられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)