FRBの影響で株価が今年で2番目に大きく上昇
米連邦準備制度理事会(FRB)の影響もあり、株価は今年で2番目に大きく上昇した。何が起きたかを見直す価値がある。
月曜日にセントルイス連銀のジェームズ・ブラード総裁が、「近く利下げが必要になる可能性がある」と述べたことから始まった。続いて火曜日、ジェローム・パウエル議長は「景気拡大を維持するために適切に行動する」と述べた。
その発言のすぐ後に、リチャード・クラリダ副議長は、CNBCのインタビューで、「我々は、経済成長を達成するために適切な政策を実施する」と付け加えた。
金利を定めている連邦公開市場委員会(FOMC)のメンバーはアメリカ3大銀行が投票を行っている。彼らのコメントは、世界中で同様の行動をとっている。
・6月4日:オーストラリア準備銀行はほぼ3年ぶりに利下げを実施。
・6月4日:ユーロ圏のインフレ率は、欧州中央銀行の大規模な会合の2日前には予想をはるかに下回った。
・5月17日、日銀の黒田総裁は、日本銀行は少なくとも2020年春まで「極めて低い」金利を維持すると述べた。
・フィリピンは先月、予想外に金利を引き下げたほか、銀行の準備預金規制も引き下げた。
マレーシアも同様の措置をとった。
関税引き下げも成長が続く
連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長は4日、「これまでのところ、適所にある関税には、たとえ実行したとしても、成長にわずかな影響しか及ぼさない自信がある」と言った。
これは、欧州の失業率報告書が1年以上で予想以上に低い水準に落ち込んだことと一致した。それは先週、堅調な米国内総生産(GDP)にも続いた。
このようなインフレ率の低さと着実な成長は、いわゆる「ゴルディロックス(ちょうどいい)」の状況が続いていることを示していると思われる。景気は過熱してもいないし、冷え込んでもいない。金利を低く保つのが正しい。その結果、投資家は株式を安心して買うことができる。
今週もさらに詳しい情報が届いている。米ADP民間雇用者数の民間部門の給与レポート、ISM製造業景気指数、FRBのベージュブック による経済状況の発表が予定されている。欧州中央銀行(ECB)と米国の失業者保険金申請件数は木曜日に発表され、次いで金曜日に非農業部門の雇用者数の発表が行われる。
結局、5月の株式市場は、貿易戦争を懸念して急落した。だが、6月に入り、投資家はハト派のFRBを好んでいるという話に注目が移りつつあるように思われる。
(原文)
Federal Reserve Joins the Global Flock of Dovish Central Bankers
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