英ポンド/米ドル (1.24000~1.31800) 5月30日~6月5日まで
アナリシス:
皆さん、こんにちは! メイ首相辞任表明後のポンドの動きは弱く、下値を伸ばす展開となっています。
今日は保守党の党首選に焦点を当ててみましょう。
既に党首選に何名も立候補を表明しています。
ブルームバーグより以下抜粋です。
・マイケル・ゴーブ環境相
・マット・ハンコック保健相
・ジェレミー・ハント外相
・ボリス・ジョンソン前外相
・アンドレア・レッドソム前下院院内総務
・エスター・マクビー前雇用・年金相
・ドミニク・ラーブ前EU離脱相
・ローリー・スチュワート国際開発相
・サドジ・ジャヴィド内相
・ジェイムズ・クレヴァリーEU担当閣外相
・キット・モルトハウス住宅担当閣外相
立候補には至っていないものの、出馬の可能性が高い人もまだ数名います。
日本の党首選と違い、かなり多くの候補者が出馬するものだと個人的に感じます。金融史上、英国の党首選で最も注目される選挙になるかもしれません。理由は皆さんもご存知の通り、次期党首が誰になるかで、ブレグジット問題の方向が決まる可能性が高いからです。
また、今後の予定ですが、6月10日に立候補締め切りとなります。現時点では多くの候補者が名乗りを上げていますが、締め切り後に保守党議員内での投票により2名に絞られることになります。
その後、イギリス全土の保守党党員による郵便投票が開催され、7月後半には党首決定という流れになります。
実質、6月7日にメイ首相は退任し、その後7月後半までは党首が不在となるわけですから、少なくとも7月中頃まではこのブレグジットの決着もつかないということになります。
また、選出される2人の候補者が合意なき離脱も辞さないブレグジット強硬派なのか、EU残留派なのか、合意に基づく離脱派なのか、はたまた新たな道を探るのか、候補者の考えがポンドの動きに影響を与える可能性もあります。
候補者の中のジェレミー・ハント氏は、28日にBBCラジオ番組内で保守党が合意なき離脱を強行すると、保守党にとって命取りになるとの考えを示しました。
ここで争点になるのは、EU側は離脱案の再交渉を拒否している点です。新たな党首になったからといって、メイ首相が果たせなかった英国とEUとの合意を、新党首が新たにEU側に提示して再交渉することができるのかどうかは望み薄と言えるでしょう。
こういった背景を踏まえ、別の候補者であるマクビー前雇用・年金相は、10月31日の離脱期限までにブレグジットを実現できないことこそ命取りになると反論しています。
こういった論争が当面英国内から聞こえてきそうですが、まずは候補者が2名に絞られるまでは、そこまでの影響力はないと私は見ています。候補者が2名に絞られ、いよいよ新党首が決まる頃には両者の意見が相場にも影響を及ぼしてくると想定します。
それまでは、引き続き米中貿易問題、ファーウェイ関連ニュースでドル高ドル安の影響を受けて英ポンド/米ドルも動いていくのではと思います。
それでは、月足チャートです。
トレンドレス下段。−2σまでゆとりあり。この形状から想定できるのは、1.2400~1.2420近辺までは下落の可能性があります。上昇余地は直近高値の1.3180近辺となります。
続いて、週足チャートです。
トレンドレス下段。−2σを若干抜けている場面となります。このまま、トレンドレス内をバンドウォークしていくのか、いったんここで下げ止まりとなるかがポイントです。
最後に、日足チャートです。
ダウントレンド中、−1σ反発をして2波目形成中。−2σまでかなりゆとりがあるので、このままダウントレンドが継続した場合、今週中にも1.2480近辺まで下落するかが注目するところになります。
向こう1週間の重要指標です。
5月30日(木)
21:30 米・GDP改定値
5月31日(金)
21:30 米・個人消費支出
6月3日(月)
23:00 米・IMS製造業景況指数
6月4日(火)
18:00 EUR・消費者物価指数速報値
22:45 米・パウエルFRB議長発言
6月5日(水)
21:15 米・ADP雇用統計
23:00 米・IMS火製造業景況指数
上記の分析からエントリーポイントとしては、以下のとおりです。
予想レンジ:1.24000~1.31800
メインストラテジー:
<日足ベースシナリオとして>
買いをするなら
・1.2460~1.2480の週足トレンドレス下段逆張り+日足トレ転−2σ越えを根拠にエントリー
・1.2400~1.2420の月足トレンドレス下段逆張りを根拠にエントリー
売りをするなら
・1.2600~1.2620を下にブレイクしたら短期足を使って戻り目で順張りエントリー
・1.3180付近で週足・日足トレンドレス上段逆張りを根拠にエントリー