【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25126.41  ▼221.36 (5/29)
NASDAQ: 7547.31  ▼60.04 (5/29)

1.概況

米国市場は中国がレアアース(希土類)の対米輸出規制を示唆していると伝わったことで米中貿易摩擦の激化が懸念され続落となりました。116ドル安でスタートし昼過ぎに409ドル安まで売られ節目の25,000ドルを割り込む場面もあったダウ平均は引けにかけて下げ幅を縮める展開となったものの結局221ドル安の25,126ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も60ポイント安の7,547ポイントとなっています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも公益事業と不動産、コミュニケーション・サービスが1%を超える下落となったほか、ヘルスケアも1%近く下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が下げました。そのなかでもジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)がオクラホマ州での訴訟を嫌気して4%を超える下げとなり下落率トップとなったほか、ナイキ(NKE)も3%近く下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、カナダの高級衣料品のカナダ・グース・ホールディングス(GOOS)が決算で売上高が市場予想を下回ったことや2020年3月期の業績見通しも市場予想に届かなかったことで急落し30%余り下落しました。また、アパレル大手のアバクロンビー・アンド・フィッチ(ANF)も決算で第1四半期の既存店売上高や第2四半期の売上高見通しが市場予想を下回ったことで急落し26%を上回る下げとなっています。さらに食品のゼネラル・ミルズ(GIS)も投資判断と目標株価の引き下げを受けて5%以上下げました。

一方で半導体のマーベル・テクノロジー・グループ(MRVL)がオランダの企業にワイヤレス接続事業を売却すると発表したことで買われ3%を上回る上昇となっています。動画配信機器のロク(ROKU)も目標株価の引き上げを受けて3%以上上げました。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの2.26%となりました。ドル円は109円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の21,000円を割り込みそうですが、売られすぎのシグナルもみられるなかで朝方の売り一巡後に下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)