【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25490.47  ▼286.14 (5/23)
NASDAQ: 7628.28  ▼122.56 (5/23)

1.概況

米国市場は中国商務省の報道官が米国が通商協議継続を望むなら誤った行動を正す必要があると述べたと伝わったことで米中貿易摩擦への懸念が改めて高まり大幅続落となりました。118ドル安でスタートしたダウ平均は400ドル安余りまで下落した後一旦280ドル安程度まで持ち直す場面もありましたが、上値は重くその後再び下げ幅を広げると取引終盤には450ドル安近くまで売られました。ダウ平均は引けにかけて下げ幅を縮める展開となったものの結局286ドル安の25,490ドルで取引を終えています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も122ポイント安の7,628ポイントとなっています。

2.経済指標等

5月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.6と2009年9月以来の低水準となり市場予想を下回りました。また、4月の米新築住宅販売件数も年率換算で前月比6.9%減の67万3000戸となり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、エネルギーが3%を超える下落となったほか、情報技術と資本財・サービス、素材、金融、一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービスも1%を超える下げとなっています。一方で公益事業と不動産が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では30銘柄中24銘柄が下げました。そのなかでもユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)が3%を超える下げとなり下落率トップとなったほか、ダウ(DOW)とIBM(IBM)も3%近く下落しました。また、シスコシステムズ(CSCO)とウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)に加え、原油価格の大幅下落を受けてエクソンモービル(XOM)、シェブロン(CVX)も2%を上回る下げとなっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、家電量販店大手のベストバイ(BBY)が5%近く下落しました。決算は市場予想を上回ったものの、説明会で対中制裁関税の引き上げに伴うコスト増を価格に転嫁する方針を示したことが嫌気されました。外食のチポトレ・メキシカン・グリル(CMG)も投資判断と目標株価の引き下げを嫌気して5%を超える下げとなっています。一方で衣料・雑貨のエル・ブランズ(LB)が決算で1株利益が市場予想を上回ったことで急伸し13%近く上げました。ディスカウントストアのターゲット(TGT)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて2%以上上昇しています。

5.為替・金利等

長期金利は0.06%低い2.32%となりました。ドル円では円高が進み109円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安と円高を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の21,000円を割り込みそうですが、売られすぎのシグナルもみられるなかで朝方の売り一巡後に下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)