【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25776.61  ▼100.72 (5/22)
NASDAQ: 7750.84  ▼34.88 (5/22)

1.概況

米国市場は米中貿易摩擦が企業業績に与える悪影響が懸念され反落となりました。58ドル安でスタートしたダウ平均は100ドル安程度まで売られた後一旦持ち直しましたが、前日終値をわずかに上回ったところで上値が押さえられると再び下げ幅を広げ昼過ぎには122ドル安まで下落する場面もありました。ダウ平均はその後に発表となったFOMC議事要旨にも目立った反応をみせることもなく軟調な推移を続けると結局100ドル安の25,776ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も34ポイント安の7,750ポイントとなっています。

2.経済指標等

4月30日-5月1日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、先行きの政策金利について当面は忍耐強くあることが適切との認識で参加者が一致していることが分かりました。また、多くの参加者が物価の低迷は一時的とみていることが明らかとなりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が下げ、エネルギーが1%を超える下落となったほか、一般消費財・サービスも1%近く下げました。一方で公益事業やヘルスケアなどの5業種が上げています。

4.個別銘柄動向

中国での販売が禁止された場合1株利益が約3割減るとのアナリストの指摘を受けてアップル(AAPL)が2%安となりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、ゴールドマン・サックス(GS)も2%近く下げたうえ、中国向け売上高が大きいボーイング(BA)も1%を超える下落となり、アップルとゴールドマン・サックス、ボーイングの3銘柄でダウ平均を90ドル程度押し下げています。

また、米連邦地方裁判所が半導体の特許使用で競争を阻害したとの判断を示したことからクアルコム(QCOM)が急落し11%近く下げています。電気自動車のテスラ(TSLA)も目標株価の引き下げを受けて6%安となっています。さらに百貨店のノードストローム(JWN)も決算で売上高と1株利益が市場予想を下回ったことで9%以上下落したほか、ホームセンター大手のロウズ(LOW)も決算で1株利益が市場予想を下回ったことに加え、通期の利益見通しを引き下げたことで急落し12%近く下げました。

一方でディスカウントストアのターゲット(TGT)は決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで8%近く上げました。自動車用品店のアドバンス・オート・パーツ(AAP)も決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことから3%余り上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%低い2.38%となりました。ドル円は110円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)