東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は29円安の2万1272円と小幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要指数が下落したことを受け、日経平均は90円安の2万1211円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後も軟調に推移すると10時過ぎに141円安と1日の安値をつけました。その後やや盛り返し前場を83円安で終えた日経平均は後場寄りからさらに下げ幅を縮めると小幅なプラスに転じ、17円高まで上昇しました。

その後すぐに再びマイナスに転じた日経平均はマイナス圏での推移が続き結局29円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆3313億円となりました。東証33業種はゴム製品や情報・通信業、鉄鋼、銀行業などの9業種が上昇しました。一方で海運業、鉱業、石油石炭製品、倉庫運輸関連など24業種が下げています。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は下げた銘柄が多くなりました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)は、TモバイルUS(TMUS)と傘下のスプリント(S)の経営統合が進展する可能性が出てきたことでスプリントの株価が大きく上昇したことが好感され3.5%高となりました。

その他にファーストリテイリング(9983)と安川電機(6506)が小幅に上昇しました。一方でソニー(6758)、任天堂(7974)、村田製作所(6981)、ZOZO(3092)、キーエンス(6861)、トヨタ自動車(7203)、武田薬品(4502)がいずれも下落しました。ソニーは4%以上下落しました。

その他材料が出たところでは、大手介護サービス会社のケア21(2373)がストップ高となりました。中間期の業績予想を上方修正したことが好感されました。また、自動車エンジン制御製品メーカーの愛三工業(7283)はデンソー(6902)と将来の成長領域における競争力強化に向けた検討を開始すると発表したことが好感され、13%近い大幅高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

一時は140円以上値を下げた日経平均ですが終値では29円安と小幅な下げにとどまりました。半導体関連銘柄の下げも米国市場の関連銘柄の下げに比べると小幅にとどまった印象で、マーケットには下げたら買いたいという一定の買い意欲があるようです。しかし引き続き米中間の交渉の行方は不透明のため、しばらくの間上げ幅には限界がありそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)