米株式市場は先週、中国との貿易戦争への懸念を一部相殺する形で、堅調な経済を背景に底堅く推移した。

S&P 500は月曜日に2.7%も下落し始めたが、重要な2,800のレベルを維持し、次の4つのセッションに進んだ。5月10日の金曜日から5月17日の金曜日にかけて、インデックスは0.8%下落した。

それは2つの市場と2つの経済の物語だった。米国では、住宅市場が活性化。製造業の先行指数が予想を上回り、失業保険金申請件数が予想以上に減少したことから、堅調に推移した。また、企業特有のポジティブ・ストーリーがいくつかあった。

一方、世界の他の地域は苦戦した。実質的にはすべての通貨が米ドルに対して下落し、特に中国人民元とブラジルレアルが下落した。
トランプ大統領が中国との貿易交渉で優位に立っているというコンセンサスが広がる中、産業界の指標は見逃され、貿易額は冷え込んだ。

200日移動平均を下回ったiシェアーズMSCIエマージングマーケットETF(EEM)

住宅関連株は強い、ハイテク関連株は打撃を受ける

住宅関連株は、NAHB住宅建設業のセンチメント・インデックス、住宅着工、建築許可が予想以上に上昇したことから、小幅上昇となった。
低金利もプラスに働いた。

中国との関係が悪化したことから、半導体が主要業種グループの中で最もパフォーマンスが悪かった。アジア諸国の工場データが見落とされただけではない。ホワイトハウスはまた、米企業が中国のIT大手の華為(ファーウェイ)に販売するのを阻止した。

公益事業、不動産信託、生活必需品などのセクターが安全な避難所とされ、資金が流入した。低金利が銀行を圧迫し、金融業界は苦戦、工業株も下落。

例を挙げると、S&P 500のパフォーマンスが最も悪かった3社は、いずれも中国と関係があったことを考えてみよう(それぞれ約14%の減少)。

1.クォルボ (QRVO):iPhoneのサプライヤーは、市場が中国市場へのアクセスをあまり懸念せず、アップル (AAPL)に追随した。

2.スカイワークス・ソリューションズ (SWKS):クォルボと同様のケースでで、トランプ大統領がファーウェイへの販売を阻止する問題が加わった。

3.ディア(DE):トラクターは、貿易戦争で大豆価格が高騰する中、作物価格の下落を警告した。

コティは上昇を続ける

しかし、コティ(COTY)のように15%上昇した勝者もいた。アンダー・アーマー (UAA) も8%の上昇となった。両社とも、投資家が事業の好転を求めていたことから、空売りに対して前向きになった。保険会社のプログレッシブ(PGR)は、72ドル前後のサポートラインを守ったことから、他の2銘柄に続き、3位となった。

S&P 500チャートはポイントとなる2,800水準で推移

サポートラインについては、S&P 500も2,800を維持しようとしている。2018年後半には、3回の暴落が起きたが、その後今年に入って大きく方向転換している。この動きは維持されるのだろうか、それとも中国によって覆られるのだろうか。それは維持されるのだろうか、それとも中国の負担になるのだろうか。

今週は他のイベントがあまりないため、この種のリスクにさらされやすい。また、メモリアルデーで連休となるため、出来高が減少することもある。

業績は中国に依存する可能性がある。実際の結果よりもサプライチェーンの関税リスクに焦点を当てる場合には、驚くべきことではない。

ホーム・デポ(HD)とTJX (TJX)は明日の朝に決算発表。ノードストロム(JWN)は閉会のベルの後に続く。

水曜日には前回の米FOMC議事録、ロウズ・カンパニーズ(LOW)決算、米原油在庫が発表される。

ベスト・バイ(BBY)、メドトロニック (MDT)、オートデスク (ADSK)、HP (HPQ)の決算は木曜日に発表される。同日には新規失業保険申請件数や新築住宅販売件数も予定されている。

耐久財受注は金曜の朝に発表予定。

 

(原文)
Stocks Try to Hold as Economy Remains Strong Despite Trade War

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