【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25648.02 △115.97 (5/15)
NASDAQ: 7822.15 △87.65 (5/15)
1.概況
米国市場はトランプ米政権が自動車への追加関税導入を先送りするとの報道を受けて続伸となりました。中国や米国の冴えない経済指標を受けて131ドル安でスタートしたダウ平均は190ドル安まで下げ幅を広げましたが、米政権が自動車や同部品への追加関税導入の判断を6カ月遅らせると伝わると買いが優勢となりプラスに転じ上げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に192ドル高まで買われる場面もあったダウ平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの結局115ドル高の25,648ドルで取引を終えています。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も87ポイント高の7,822ポイントとなっています。
2.経済指標等
4月の米小売売上高は前月比0.2%減となり増加を見込んでいた市場予想を下回りました。また、4月の米鉱工業生産指数も前月比0.5%低下し市場予想を下回りました。設備稼働率は77.9%となりこちらも市場予想を下回っています。一方で5月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数は17.8となり市場予想を上回っています。5月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も66となり市場予想を上回りました。3月の米企業在庫は前月比変わらずとなり市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げコミュニケーション・サービスが2%以上上昇したほか、情報技術も1%近く上げています。一方で金融と素材、公益事業の3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)が投資判断の引き上げを受けて4%近く上げました。ゲームソフト大手のテイクツー・インタラクティブ・ソフトウエア(TTWO)も目標株価の引き上げを受けて4%近く上げています。また、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)が4%余り上げました。インターネットの検索履歴を基に利用者に商品を勧めるサービスを米国で始めると発表したことが好感されました。
一方で冴えない4月の米小売売上高を受けて小売り株が売られ百貨店のコールズ(KSS)やギャップ(GPS)が2%近く下げたうえ、高級百貨店のノードストローム(JWN)やJCペニー(JCP)も1%を超える下落となっています。画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)は目標株価の引き下げを受けて1%を超える下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%低い2.37%となりました。ドル円は109円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
米国市場は続伸となったもののドル円がやや円高となっていることもあって本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日も買い優勢の展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)