【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25942.37  △114.01 (5/10)
NASDAQ: 7916.94  △6.35 (5/10)

1.概況

先週末の米国市場は9日から始まった米中の閣僚級の貿易協議は合意に至らなかったものの、協議終了後のトランプ米大統領やムニューシン米財務長官の協議は建設的だったとの発言を受けて米中協議は今後も継続される期待との期待から反発しました。ダウ平均は64ドル安でスタートすると昼前に358ドル安まで下げ幅を広げましたが、トランプ米大統領やムニューシン米財務長官の発言を受けて持ち直すとプラスに転じ取引終盤には190ドル高まで買われる場面もありました。結局ダウ平均は114ドル高の25,942ドルで取引を終え反発となっています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も6ポイント高の7,916ポイントと5日ぶりの反発となりました。

2.経済指標等

4月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.0%上昇に止まり市場予想を下回りました。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは2.1%上昇し市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちヘルスケアを除く10業種が上げ、公益事業と素材、生活必需品、不動産が1%を超える上昇となりました。

4.個別銘柄動向

メディア大手のバイアコム(VIAB)が決算で1株利益が市場予想を上回ったことで2%以上上げています。クラウドデータ保管・共有のドロップボックス(DBX)も決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで1%余り上げています。一方でインターネットセキュリティー大手のシマンテック(SYMC)は相次ぐ会社幹部の退職が嫌気され急落し12%以上下げています。なお、ニューヨーク証券取引所に上場したライドシェアサービス最大手のウーバーテクノロジーズ(UBER)は公開価格の45ドルを下回る42ドルで初値を付けると41.57ドルで取引を終えています。また、このようにウーバーテクノロジーズが冴えないスタートを切ったことで同業のリフト(LYFT)も7%以上下げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.02%高い2.46%となりました。ドル円は109円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国が制裁関税の対象を中国からの全輸入品に広げる第4弾の詳細を13日に公表すると発表したことを受けて米中貿易摩擦への警戒感が改めて高まっていることから本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。こうしたなか本日は中国市場やドル円の動向をにらみながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)