【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25828.36 ▼138.97 (5/9)
NASDAQ: 7910.59 ▼32.73 (5/9)
1.概況
米国市場は米中貿易協議への警戒感から下落しました。ダウ平均は88ドル安でスタートすると昼前に450ドル安近くまで下げ幅を広げました。その後トランプ米大統領が中国の習近平国家主席と電話協議を開くだろうと述べたことで警戒感が後退し午後には下げ幅を縮める展開となりましたが、結局138ドル安の25,828ドルで取引を終え反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も32ポイント安の7,910ポイントと4日続落となっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は22万8000件となり改善を見込んでいた市場予想に反して前週比で変わらずとなりました。また、4月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%上昇し市場予想と一致しました。さらに3月の米貿易収支で赤字額は前月比1.5%増の500億200万ドルとなりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材や情報技術、一般消費財・サービスなどの9業種が下げました。一方で不動産とエネルギーの2業種が上げています。
4.個別銘柄動向
今後3年間の売上高と利益が1桁の伸びに止まるとの見通しを発表したことで前日に2%以上下げたインテル(INTC)が投資判断の引き下げを受けて大幅続落となりました。5%を超える下げとなりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。また、手作り品などの売買サイトを運営するエッツィー(ETSY)が決算で売上高が市場予想を下回ったことで急落し10%余り下落しました。電子郵便サービスを手掛けるスタンプス・ドット・コム(STMP)も米郵政公社との契約見直しを背景に2019年12月通期の業績見通しを大幅に下方修正したことで急落し56%近く下げています。
一方でシェブロン(CVX)が3%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。石油・ガス開発大手アナダルコ・ペトロリアム(APC)の買収を断念したことで買収に伴う財務負担が無くなったことが好感されました。さらにメディア大手フォックス(FOXA)も決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで3%近く上げたほか、動画ストリーミング用機器メーカーのロク(ROKU)も市場予想を上回る決算を受けて目標株価の引き上げが相次いだことで急伸し28%余り上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%低い2.44%となりました。ドル円は109円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均では昨日同様に75日移動平均線(昨日時点で21,358円)や一目均衡表の雲の上限(21,349円)がサポートとなるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)