東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は321円安の2万1602円と大幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。米中の貿易交渉への懸念が高まり昨日の米国市場で主要指数が大幅に下落したこと、ドル円が110円台前半まで円高に振れたことを受け日経平均は295円安の2万1628円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後も下げ幅を広げるとその後も軟調な推移が続きました。前場を339円安で終えた日経平均は、ドル円が一時109円台をつけるなど円高が進んだことも嫌気され後場に入ってもじりじりと下げ幅を広げる展開となり14時過ぎに408円安まで下落しました。引けにかけてやや値を戻した日経平均ですが結局321円安と大幅に続落して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆7476億円となりました。
東証33業種は全業種が下落しました。中でも精密機器や空運業、化学、非鉄金属、ガラス土石製品が2%台後半の下げとなっています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下げた銘柄が多くなりました。売買代金トップのトヨタ自動車(7203)は1%近く下げました。本日の13時10分に決算発表を行うとプラス圏に浮上する場面もありましたが結局下げています。任天堂(7974)、ソニー(6758)、武田薬品(4502)、村田製作所(6981)、三菱UFJ(8306)、コマツ(6301)がいずれも下落しました。武田薬品とコマツは3%前後の下げとなりました。一方でZOZO(3092)、ソフトバンクグループ(9984)、ファーストリテイリング(9983)は上昇しました。ZOZOはテレビ番組である運用会社のファンドマネージャーが運用する投資信託への組入比率が高いと発言したことが買いを誘ったとの指摘があり8%の大幅高となっています。
その他材料が出たところでは、第1四半期の営業利益が前年同期比13%近い営業減益に終わったヤマハ発動機(7272)は13%超の大幅安となりました。一方で環境保全のコンサルタント会社であるいであ(9768)は好調な第1四半期決算が好感されて23%超の大幅高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
世界的なリスクオフムードの強まりを受け日経平均は大幅に続落しました。ドル円が109円台をつけたことも警戒感を誘いそうで、米中貿易交渉の落とし所が見えてくるまでは荒っぽい相場つきに警戒を続けたほうが良さそうです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)