【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26438.48  ▼66.47 (5/6)
NASDAQ: 8123.29  ▼40.71 (5/6)

1.概況

昨日の米国市場は米中貿易摩擦への懸念が再燃し小幅反落となりました。トランプ米大統領が5日に中国製品への制裁関税を引き上げると表明したことや、中国側が8日からワシントンで予定されている閣僚級の米中貿易協議への参加を取り消す検討をしていると伝わったことなどで取引開始直後に471ドル安まで売られたダウ平均ですが、押し目買いも入り持ち直すなか中国の交渉団が貿易協議のために米国に行く準備を進めていると伝わると交渉決裂の懸念が後退し午後に入って一段と下げ幅を縮める展開となりました。結局ダウ平均は66ドル安の26,438ドルで取引を終えています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も40ポイント安の8,123ポイントとなっています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちヘルスケアを除く10業種が下げ、素材が1%以上下落したほか、資本財・サービスと情報技術も1%近く下げています。

4.個別銘柄動向

米中貿易摩擦への懸念が再燃するなかダウ平均構成銘柄ではナイキ(NKE)が2%を超える下げとなったほか、キャタピラー(CAT)やアップル(AAPL)、ボーイング(BA)、スリーエム(MMM)、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)も1%以上下げました。

ダウ平均構成銘柄以外でも米中貿易摩擦への懸念再燃を受けて半導体関連株が安く、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)やマイクロン・テクノロジー(MU)が3%近く下落したうえ、ブロードコム(AVGO)やエヌビディア(NVDA)、クアルコム(QCOM)も1%以上下げています。

一方で著名なヘッジファンドのCEOが割安だと指摘したことでユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が4%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。また、食肉大手のタイソン・フーズ(TSN)が決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで2%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

昨日の長期金利は0.05%低い2.47%となりました。ドル円は110円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

日本市場が大型連休で休場中の米国市場はほぼ横ばいで戻ってきました。米国市場は4月29日にS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新するなど26日と29日に堅調に推移した後、5月に入って1日と2日は米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル議長の会見を受けて利下げ観測が後退し大きく下げましたが、先週末には良好な雇用統計を受けて大きく反発しナスダック総合株価指数が4日ぶりに史上最高値を更新する展開となっていました。しかし、昨日に米中貿易摩擦への懸念が再燃し小幅に下げたことでダウ平均は日本市場が休場中の7営業日トータルで23ドル安、ナスダック総合株価指数はトータルで4ポイント高となっています。

このように米国市場がほぼ横ばいとなるなか休場明けの本日の日本市場はドル円が円高となっていることもあってやや売り優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は昨日に上海総合指数が6%近く下げた中国市場やドル円の動向に神経質な展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)