【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 26462.08 ▼134.97 (4/25)
NASDAQ: 8118.68 △16.67 (4/25)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。スリーエム(MMM)の急落が重石となりダウ平均とS&P500株価指数は続落となりましたが、マイクロソフト(MSFT)など主力ハイテク株の上昇を受けてナスダック総合株価指数は反発となりました。ダウ平均は170ドル安でスタートするとまもなくして286ドル安まで下落した後下げ幅を縮める展開となりましたが、上値は重く軟調な展開を続けると結局134ドル安の26,462ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も1ポイント安の2,926ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は16ポイント高の8,118ポイントとなりました。
2.経済指標等
3月の米耐久財受注額は前月比2.7%増となり市場予想を上回りました。民間設備投資の先行指標となる非国防資本財から航空機を除いたコア受注も前月比1.3%増となり市場予想を上回っています。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比3万7000件増の23万件となり市場予想を上回る悪化となりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち資本財・サービスや素材、生活必需品などの7業種が下げ、資本財・サービスが2%近く下落したほか素材も1%以上下げています。一方で4業種が上げ、ヘルスケアとコミュニケーション・サービスが1%を超える上昇となりました。
4.個別銘柄動向
決算が市場予想を下回り通期の見通しも引き下げたスリーエムが急落し13%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。スリーエムはダウ平均を1銘柄で190ドル以上押し下げています。物流大手のUPS(UPS)も決算で売上高や1株利益が市場予想を下回ったことで急落し8%余り下げています。半導体大手のザイリンクス(XLNX)も決算で売上高総利益率が市場予想に届かなかったことで急落し17%余り下げました。また、取引終了後に決算を発表したインテル(INTC)は通期の業績予想を引き下げたことから時間外で一段安となっています。
一方でマイクロソフトが決算で1株利益が市場予想を上回ったことで3%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり上場来高値を更新しました。市場予想を上回る決算を受けて目標株価の引き上げが相次いだフェイスブック(FB)も6%近く上げています。半導体製造装置のラムリサーチ(LRCX)も決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで5%近く上げました。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い2.53%となりました。ドル円は円高に振れ111円台半ばで推移しています。一時111円30銭台まで円高が進む場面もありました。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場でダウ平均が下落となったことやドル円が円高となっていることから下落してのスタートが予想されます。10連休前最後の取引で様子見となりやすいなかで日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るかがポイントとなりそうです。また、本日は決算発表の集中日で多くの企業が決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)