東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は反発し日経平均が年初来高値を更新しました。16円安の22,183円で寄り付いた日経平均は44円安で下げ渋ると直ぐにプラスに転じ84円高まで買われました。10時過ぎには昨日終値近辺まで弱含みましたが、マイナスとなることなく昨日の終値近辺で踏み止まると切り返し前場は80円高で取引を終えました。

前引けよりやや上げ幅を縮め34円高でスタートした後場は後場寄り直後に日銀が金融政策決定会合で少なくとも2020年春ごろまで低い長短金利の水準を維持するとしフォワードガイダンスを明確化したと伝わると一段高となり上げ幅を三桁に広げました。14時50分過ぎに134円高まで上昇する場面もあった日経平均は結局107円高の22,307円となり、今月17日に付けた年初来高値(22,277円)を更新して取引を終えています。

こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数が3日続伸となったほか、日経ジャスダック平均も続伸となっています。

2.個別銘柄等

ファナック(6954)が決算発表を受け続落となったものの0.3%安と下げ渋りました。昨日の取引終了後に発表した決算で大幅減益見通しの今期予想を発表したことから売り気配で始まり3%余りまで下落する場面もありましたが、自社株買いを発表したことや1-3月期の受注が前の3カ月に比べ増加に転じたことから受注底入れの期待も出て下げ幅を縮める展開となり小幅に上昇する場面もみられました。

そのほか決算に反応して大きく下げたのがキーエンス(6861)で、通期の営業利益は前期比8.5%の増益となりましたが、1-3月期の3カ月間が前年同期比で減益となったことが嫌気され4.1%安となりました。また、昨日の引け後に第1四半期の決算を発表したキヤノン(7751)やLINE(3938)も安く、キヤノンは通期の業績予想を下方修正したことが嫌気され2.5%安となり、LINEは第1四半期の営業損益が赤字となったことから3.8%安となっています。

一方で日立化成(4217)が9.8%高と大幅高となり年初来高値を更新しました。日立(6501)が日立化成を売却する方針を固めたと報じられるなか、仮にTOB(株式公開買い付け)で完全子会社化を目指す場合は一定のプレミアムが上乗せされるとの思惑から買いを集めました。日立も高く1.9%高となっています。さらに大幅な営業増益となる今期の見通しを発表したイビデン(4062)や富士通ゼネラル(6755)も大きく上げ、イビデンが9.8%高、富士通ゼネラルが7.8%高となりともに年初来高値を付けています。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は年初来高値をおよそ一週間ぶりに更新しました。明日は10連休前最後の取引となりますが、連休前にポジションを減らすような動きも出やすいなかで日経平均が連日で高値をとれるかがポイントとなりそうです。また、明日は決算発表の集中日で多くの企業が決算発表を予定しています。大型連休前で様子見になりやすいともいえますが、個別では決算に大きく反応するものもありそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)