東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は56円高の2万2277円と小幅に続伸し4日連続で年初来高値を更新しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場で主要指数が上昇したことを受け、日経平均は14円高の2万2236円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後も小幅高で推移しましたが、10時半頃に急速に上げ幅を縮めてマイナスに転じると一時は35円安をつけました。すぐに値を戻してプラスに転じた日経平均は11時に発表された鉱工業生産や小売売上高、GDPなどの中国の経済指標が市場予想を上回る堅調な内容だったことが好感されまもなく123円高と1日の高値をつけました。その後やや上げ幅を縮めて前場を67円高で終えた日経平均は後場に入っても前引け水準での値動きが続き結局56円高と小幅高で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆3628億円となりました。東証33業種は証券商品先物や海運業、輸送用機器、石油石炭製品など景気敏感セクターを中心とした21業種が上昇しました。一方で水産・農林業や電気・ガス業、精密機器など12業種が下げています。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが上昇しました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)は、米司法省が傘下のスプリント(S)とTモバイルUS(TMUS)の合併計画に疑念を示したと報じられたことを受け1.5%安となりました。一方でその他の売買代金上位銘柄はほとんどが上昇しました。任天堂(7974)、ファーストリテイリング(9983)、楽天(4755)、三菱UFJ(8306)、トヨタ自動車(7203)、三井住友(8316)、ソニー(6758)、村田製作所(6981)、SUMCO(3436)がいずれも上昇しました。中でも大手証券が投資判断と目標株価を引き上げた楽天は10%超の大幅高となりました。その他材料が出たところでは、ステーキ店をチェーン展開するブロンコビリー(3091)が10%近い大幅安となり年初来安値を更新しました。第1四半期の営業利益が前年同期比24%の大幅減益となったことが嫌気されました。一方で子会社を日本電産(6594)に売却すると発表したオムロン(6645)は4.3%の大幅高となりました。日本電産は小幅に下げています。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は小幅に続伸して連日の年初来高値更新となりました。場中に発表された中国の経済指標は概ね堅調で、徐々に中国経済の大幅な鈍化への懸念は和らいでいます。今夜の米国市場ではフィラデルフィア連銀やセントルイス連銀総裁の講演や、米地区連銀経済報告(ベージュブック)の発表が予定されています。米国の金融政策についてどのような示唆が与えられるか注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)