【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26143.05  ▼14.11 (4/11)
NASDAQ: 7947.36  ▼16.89 (4/11)

1.概況

米国市場は週末からスタートする決算発表を控え様子見となるなか小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は31ドル高でスタートするとまもなくして72ドル高まで買われましたが、買いが続かず昼前に上げ幅を縮めるとマイナスに転じ一時は94ドル安まで売られました。その後取引終盤にかけて下げ幅を縮める展開となったダウ平均ですが結局戻し切れず14ドル安の26,143ドルで取引を終え反落となっています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も16ポイント安の7,947ポイントとなりこちらも反落となりました。一方でS&P500株価指数は0.1ポイント高の2,888ポイントと続伸となりほぼ横ばいとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比8000件減の19万6000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。また、3月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.6%上昇し市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち資本財・サービスや金融、公益事業などの7業種が上げました。一方でヘルスケアや不動産などの4業種が下げ、ヘルスケアは1%を超える下落となりました。

4.個別銘柄動向

電気自動車のテスラ(TSLA)がパナソニック(6752)と米国で共同運営する電池工場の増産投資を凍結すると伝わったことで3%近く下げました。また、民主党のサンダース上院議員が国民皆保険制度の導入を改めて主張したことを受けてヘルスケア関連株の下げが目立ち、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が4%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。ユナイテッドヘルス・グループはダウ平均を1銘柄で70ドル以上押し下げています。

一方で産業資材のファステナル(FAST)が決算で1株利益が市場予想を上回ったことで5%高となりました。カジノ大手のシーザーズ・エンターテインメント(CZR)も数日中に身売りすると伝わったことで4%近く上げています。さらにディスカウントストアのファイブ・ビロー(FIVE)も投資判断の引き上げを受けて3%を超える上昇となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い2.49%となりました。ドル円は111円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日は中国の3月の貿易統計が発表されます。2月は輸出が大きく落ち込み悪材料視されただけに注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)