東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は利益確定の売りに押され3日ぶりに小幅反落となりました。日経平均は26円安の21,558円で寄り付くとまもなくして158円安の21,425円まで下げ幅を広げました。朝方の売りが一巡すると下げ幅を縮め10時半過ぎに1円高とわずかにプラスとなる場面もみられた日経平均ですが、上値は重く直ぐに下落に転じると再び80円安近くまで下落しました。その後、後場に入って徐々に下げ幅を縮める展開となった日経平均は結局17円安の21,566円と小幅に下げて取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに反落となっています。
2.個別銘柄等
メガバンクが堅調でした。経営再建中のドイツ銀行がコメルツ銀行と統合交渉を進めると発表したことで再編期待から欧州の銀行株が買われたことを受けて米国市場でもゴールドマン・サックス(GS)やJPモルガン・チェース(JPM)などが買われました。こうした流れを引き継ぎ日本市場でも三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)が0.6%高となったほか、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が1.0%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)が0.3%高となっています。また、上昇が目立ったのが日立(6501)で投資判断の引き上げを受けて4.2%高と大きく上げています。
一方で昨日の取引終了後に第3四半期の決算を発表したツルハホールディングス(3391)が6.4%安となり昨年来安値を更新しました。第3四半期までの9カ月累計の営業利益は前年同期比1%増となりましたが、第3四半期3カ月間が第2四半期に続いて減益となったことが嫌気されました。
そのほか下げがきつかったのがゾゾタウンを運営するZOZO(3092)やゲーム用などのLSIを手がけるメガチップス(6875)で、ZOZOは投資判断の引き下げを受けて11.3%安となり東証1部で下落率2位となりました。メガチップスも通期の業績予想を下方修正し最終損益の赤字額が7億円から19億円へと拡大する見通しとなったことで9.5%安となり下落率3位となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は反落となりましたが下げ渋り節目の21,500円を維持しました。しかし、21,500円を超えてくると利益確定の売りが出て上値が重くなる状況は相変わらずのようです。こうしたなか重要イベントが続きます。19日-20日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるほか、21日-22日には欧州連合(EU)首脳会議が予定されています。こうした重要イベントが節目を超えると上値が重くなる日経平均の状況を変えるきっかけとなるか注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)