【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25848.87  △138.93 (3/15)
NASDAQ: 7688.53  △57.62 (3/15)

1.概況

先週末の米国市場は、中国の新華社通信が中国の副首相とライトハイザー米通商代表部代表やムニューシン米財務長官との電話協議で貿易交渉に実質的な進展があったと報じたことで、米中貿易協議が合意に向けて進展しているとの見方が強まり上昇しました。

11ドル高と小幅に上昇してスタートしたダウ平均はまもなくしてマイナスに転じ60ドル安まで下落する場面もありましたが、下げ渋ると持ち直し昼前にプラスに転じ上げ幅を広げる展開となりました。昼過ぎに217ドル高まで上昇したダウ平均はその後上げ幅を縮めたものの結局138ドル高の25,848ドルで取引を終え3日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も57ポイント高の7,688ポイントと反発しています。

2.経済指標等

3月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数は3.70となり市場予想を下回りました。また、2月の米鉱工業生産指数も前月比0.1%上昇に止まり市場予想を下回りました。設備稼働率は前月から0.1ポイント低下の78.2%となっています。一方で3月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は97.8と前月から上昇し市場予想も上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術や一般消費財・サービス、金融などの8業種が上げ、情報技術は1%を超える上昇となりました。一方で不動産と資本財・サービス、エネルギーの3業種が下げています。

4.個別銘柄動向

決算で1株利益が市場予想を上回った半導体大手のブロードコム(AVGO)が8%以上上昇しました。他の半導体関連株にも買いが波及しラムリサーチ(LRCX)も3%を上回る上昇となったほか、エヌビディア(NVDA)やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、マイクロン・テクノロジー(MU)も2%を超える上昇となりました。また、インテル(INTC)も2%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。さらにボーイング(BA)が墜落事故を起こした737MAX型機のソフトウエアを10 日以内にアップグレードすると伝わったことで1%を超える上昇となり、ダウ平均構成銘柄でインテルに次ぐ上昇率となりました。

一方でサービス全体を統括する主要幹部2人の退社を発表したフェイスブック(FB)が2%以上下落しています。ソフト大手のアドビシステムズ(ADBE)も3-5月期の1株利益の見通しが市場予想に届かなかったことで4%近く下げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.04%低い2.59%となりました。ドル円は111円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が引けで節目の21,500円を上回れるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)