東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は163円高の2万1450円と反発しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数も上昇しましたが新興市場のマザーズ指数は下落しました。

昨日の米国市場で主要指数は高安まちまちで支援材料にはなりづらかったものの、昨日日経平均は大きく上げ幅を縮めて取引を終えていたことから89円高の2万1376円と反発して寄り付きました。日経平均は寄り付きの水準がほぼ1日の安値になると徐々に上げ幅を広げました。11時過ぎに234円高と1日の高値をつけた日経平均は前場を217円高で終えました。日銀の金融政策決定会合で政策変更はなく、また北朝鮮が米国との非核化交渉の停止を検討しているという報道もありドル円はやや円高に振れましたが、日経平均は後場に入っても堅調に推移し結局163円高と反発して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆7889億円となりました。

東証33業種は海運業と非鉄金属を除く31業種が上昇しました。中でも鉱業やその他製品、繊維製品、医薬品、銀行業などの上昇率が高くなりました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップのオムロン(6645)が3%近く下落したほか、ファーストリテイリング(9983)、ソニー(6758)、キーエンス(6861)、村田製作所(6981)がいずれも下落しました。一方で任天堂(7974)、ソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJ(8306)、武田薬品(4502)は上昇しています。

北朝鮮が非核化交渉の停止を検討しているとの報道を受け、防衛関連の一角が買われました。防衛機器メーカーの石川製作所(6208)が25%超の大幅高となったほか、豊和工業(6203)や細谷火工(4274)なども大きく上昇しました。また、東証1部への上場市場変更が承認されたと発表したスパークス・グループ(8739)も15%超上昇しました。一方で展開する「いきなりステーキ」の2月の既存店売上高が前年同月比24.9%減と大きく落ち込んだペッパーフードサービス(3053)は10%以上下落して昨年来安値を更新しました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は163円高と反発しました。昨日一時は200円超上げていたにもかかわらず終値は3円安と冴えなかった反動から買われた面が大きいと言えそうです。来週は19日から20日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。来週の会合では利上げ見送りが確実されていますが、FOMC終了後のパウエルFRB議長の会見で今後の方針についてどのような説明がなされるか注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)