【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25554.66  ▼96.22 (3/12)
NASDAQ: 7591.03  △32.97 (3/12)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ボーイング(BA)の大幅下落が重石となったダウ平均は反落となりましたが、ハイテク株やバイオ株が買われたことでS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は続伸となりました。50ドル安でスタートしたダウ平均は80ドル安近くまで売られた後切り返し25ドル高近くまで上昇する場面もありましたが、上値が伸び悩むと再び下落に転じその後はマイナス圏での推移となりました。一時130ドル安近くまで下落する場面もあったダウ平均は結局96ドル安の25,554ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が8ポイント高の2,791ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も32ポイント高の7,591ポイントとなっています。

2.経済指標等

2月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.5%上昇に止まり市場予想を下回りました。変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数も前年同月比2.1%上昇に止まり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちヘルスケアや公益事業、エネルギーなどの9業種が上げました。一方で資本財・サービスと生活必需品の2業種が下げ、資本財・サービスは1%近く下落しています。

4.個別銘柄動向

主力機種であるボーイング737MAX8が墜落したのを受けて欧州やアジアで同型機の運航停止が相次いだことでボーイングが6%を超える下げとなり前日に続いて大幅下落となりました。ボーイングはダウ平均構成銘柄で下落率トップとなり1銘柄でダウ平均を170ドル近く押し下げています。また、IT大手のヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)も目標株価の引き下げを嫌気して3%以上下げています。電気自動車のテスラ(TSLA)も目標株価の引き下げを受けて2%を上回る下げとなっています。一方で25日にイベントを開くと伝わったアップル(AAPL)が1%余り上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%低い2.60%となりました。ドル円は111円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場が高安まちまちとなるなど新たな買い材料に乏しいなか昨日に大きく上昇した後ということもあって本日の日本市場は売り優勢でのスタートが予想されます。こうしたなかで日経平均が底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)