【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25450.24 ▼22.99 (3/8)
NASDAQ: 7408.14 ▼13.32 (3/8)
1.概況
先週末の米国市場は雇用の急減速や中国の貿易統計の悪化などを受けて5日続落となりました。125ドル安でスタートし取引開始直後に220ドル安まで売られたダウ平均は一旦60ドル安程度まで持ち直す場面もありましたが、再び下げ幅を広げると昼過ぎには190ドル安余りまで下落しました。しかし、その後切り返すと引けにかけて大きく下げ幅を縮め結局22ドル安の25,450ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も13ポイント安の7,408ポイントとなっています。
2.経済指標等
2月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比2万人増に止まり市場予想を大きく下回りました。しかし、失業率は前月から0.2ポイント低下の3.8%と改善したほか、平均時給も前年同月比3.4%増と市場予想を上回り2009年4月以来の高い伸びとなりました。また、1月の米住宅着工件数は年率換算で前月比18.6%増の123万戸となり市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや一般消費財・サービス、ヘルスケアなどの6業種が下げ、エネルギーは2%近く下落しました。一方で公益事業や素材などの4業種が上げています。金融は変わらずでした。
4.個別銘柄動向
電気自動車のテスラ(TSLA)が3%近く上げました。空売り専門の米投資情報会社がテスラの株価が320ドルに戻るという見方を示したことが好感されました。コストコ・ホールセール(COST)は決算で1株利益が市場予想を上回ったことで5%余り上昇しています。一方でノルウェー政府が政府年金基金に石油・ガスの探査と生産を専門とする企業を運用対象から外すことを提案したことでエネルギー関連株が安く、エクソンモービル(XOM)が1%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、シェブロン(CVX)も小幅に下げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.01%低い2.63%となりました。ドル円は111円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
先週末の日本市場が大幅安となるなかで米国市場が小幅な下げに止まったことから本日の日本市場は買い優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円や中国市場の動向をにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)