【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26026.32  △110.32 (3/1)
NASDAQ: 7595.35  △62.82 (3/1)

1.概況

先週末の米国市場は米中首脳が早ければ3月半ばにも会談し貿易協議で合意する可能性があるなどと伝わったことで米中が貿易交渉で近く合意するとの期待から反発しました。ダウ平均は103ドル高でスタートしまもなくして227ドル高まで買われた後昼前に前日終値近辺まで上げ幅を縮めましたが、午後に入って徐々に持ち直すと結局110ドル高の26,026ドルで取引を終え4日ぶりの反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も62ポイント高の7,595ポイントと反発しています。

2.経済指標等

2018年12月の米個人所得は前月比1.0%増となりました。また、2019年1月の個人所得は前月比0.1%減となり2015年11 月以来3年2カ月ぶりのマイナスとなり増加を見込んでいた市場予想を下回りました。また、2018年12月の個人消費支出(PCE)は前月比0.5%減と市場予想を下回り2009年9月以来の大幅な落ち込みとなりました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレータは前年同月比1.9%上昇し市場予想と一致しています。さらに2月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は速報値から93.8と確報値から1.7ポイント下方修正され市場予想も下回りました。2月のISM製造業景況感指数も54.2と前月から低下し市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、エネルギーが2%近く上昇したほか、ヘルスケアも1%を上回る上昇となりました。また、一般消費財・サービスも1%近く上げています。一方で生活必需品と素材、不動産の3業種が下げています。

4.個別銘柄動向

カジュアル衣料大手のギャップ(GPS)が低価格ブランド「オールド・ネイビー」を旗艦ブランドなどから独立させる再編計画を発表したことで経営の効率化が進むとの見方から急伸し16%以上上げました。また、スポーツシューズ小売大手のフット・ロッカー(FL)も既存店売上高が市場予想を大きく上回ったことで6%近く上げています。一方で電気自動車のテスラ(TSLA)が量産型セダン「モデル3」の廉価版を発売すると発表したことや、全車種の価格を平均約6%値下げするとしたことで8%近く下げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.04%高い2.75%となりました。ドル円は111円台後半で推移しています。一時は112円台を付ける場面もありました。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が昨年10月初めの高値と12月下旬の安値の半値戻しの水準(21,700円近辺)を引けで上回ることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)