米ドル/円 日足

週間予想レンジ(2/18週):109.00~111.00

メインストラテジー:戻り売り

・フラッシュ・クラッシュに対する反動は一旦終焉
・FOMCスタンスの修正、短期スパンの値動きを左右
・111円関門を本格的に上回れない限り押しが先行される

【図表】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

FOMC後、米ドルは反落したものの短期間に終わり、その後続伸した。しかし、111円関門の打診をもって当面リバウンドの限界を果たした公算が大きい。FRBスタンスの修正は少なくとも短期スパンにおけるドルの圧力になると推測され、またクロス円における円高圧力の増加も米ドル/円の頭を押さえ込むと想定される。

既述のように、米ドル/円の反落はドル全体(ドルインデックス)と連動する傾向にあり、円全体のパフォーマンスよりも外貨次第の値動きを強めていく見通しである。この意味では、ドルインデックスの続伸は円以外の主要通貨の下落をもって円高圧力と化すから、米ドル/円にとってむしろ頭打ちの要素となるわけだ。

ドルインデックスは先週97円前半まで上昇し、FRBの軌道修正があったにもかかわらず、強気変動を示している。諸外貨の内部事情が芳しくないところは大きい背景として語られるが、相場自体の内部構造を表す。つまり、米ドル全体の強気変動は当面継続される公算が大きいから、対円ではむしろ当面頭打ちの要素として強まるわけだ。

1月末を起点とした続伸、2月4日の高値更新をもって新たなレンジ入りと示唆していたことに鑑み、ここから同日高値110.16円を割り込めるかどうかは焦点となるだろう。2月4日~同8日で形成された「インサイド」、同11日の大陽線をもって上放れを果たしたところも重要なサインだったため、109円後半~110円前半のサポートゾーンを形成していた。

一方、2月14日陰線が示した「弱気リバーサル」のサインは当面の頭打ちを暗示しており、まず前記サポートゾーンを試し、下放れできる場合は1月末安値108.50円前後の下値余地を拓くであろう。111円関門を本格的に上回れない限り、修正的な反落が先行されよう。

下値ターゲットゾーンについて、年初急落で作った安値から全戻りの値幅を測り、0.382円押しは108円関門前後が最初の目安になるでしょう。しかし、押しが継続されても下値余地が限定されるでしょう。

より長い視点では、2015年高値を起点とした大型トライアングル型保ち合い、仮に現時点までなお継続されているとみる場合、やはり2018年3月安値を下回るかどうかをひとつの基準として判断しやすい。同安値割れを回避しているところ、大型保ち合いの基盤がなお維持され、1月2日罫線で形成された「スパイクロー」のサインが大きな証左となる。

換言すれば、1月2日の「スパイクロー」のサインが証左されたからこそ、切り返しがしばらく継続され、先々週の110円関門トライにつながった。ここから押しが先行されても、あくまで「二番底」を形成していくから、107円半ば前後は押しの限度と暗示される。

豪ドル/円 日足

週間予想レンジ(2/18週):77.00~79.50

メインストラテジー:戻り売り

・年初のクラッシュに対する反動、一旦頭打ちへ
・80円心理大台を回復できず、切り返しのモメンタムも低下
・豪ドル全体の続伸を受け、豪ドル対米ドルへの下落は豪ドル/円に波及しやすい

【図表】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先週反発したものの、先々週の高値79.85円を超えられず、週足では「インサイド」のサインを灯した。もっとも、80円心理大台を目前に豪ドルの失速は当面頭打ちを示し、ドル全面高のなか、対米ドルの軟調が対円の売り圧力として化していく公算も大きく、ここから続伸よりも反落の見通しが強まる。この意味では、先々週の大陰線や前記「インサイド」のサインは大きなヒントを示しているとみる。

2月6日の大陰線は一気に1月25日の大陽線がもたらした続伸を否定し、8日安値77.42円の打診につながった。その後の切り返しで一旦「フォールス・ブレイクアウト」のサインを点灯し、77円台半ばのサポートを示す。だが、先週週足のサインに関する解読のように、これから高値更新の有無にあるが、ブレイクできない場合はむしろ弱気サインの1つとして解読される。

従って、2月14日陰線が示した「スパイクハイ」の意味合いも無視できない。同日高値79.28円の更新なしでは、2月8日安値77.42円を起点とした切り返しも短命に終わる可能性が大きい。この場合、再度77.42円割れがあれば、日足では「ベッド&ショルダーズ・トップ」のフォーメーションを形成、一段反落余地を拓くかと推測される。

仮に前記推測が成立される場合、概ね75円台半ばの下値余地を測られるが、反落自体はあくまで修正的な値動きとみられ、所謂「二番底」の形成と位置づけられる。その理屈については既述のとおりだが、下記のように強調しておきたい。

年初のフラッシュ・クラッシュは年始の商い薄があって、米ドル/円のクラッシュがもたらした値動き。一気に2016年安値を一旦割り込み、米ドル/円以上のクラッシュを演じたが、急落時の値段はそのほとんどがウェリントン取引時間帯において数分間の出来事で、その値動きのすべてを「正当化」できない。

その上、1月2日の大陰線は値幅の大きさで典型的な「長大線」を形成し、安値トライしてから急速に反発してきた上、比較的に高く大引けしたため、「スパイクロー」のサインも点灯していた。その後1月末まで連続「四連陽」の週足を形成、同サインの効き目を証左、切り返し自体は同サインの指示どおりなら、これからも大きな役割を果たすはずだ。

実際、2016年安値を一旦割れとはいえ、同日安値と大引け値の間で2.5円程度の差があって、安値更新自体が「フォールス・ブレイクアウト」、即ち「ダマシ」だった可能性が大きかった。79円関門前後までの続伸は同可能性を証左する値動きとなり、長期スパンにおける底打ちを示唆したとみる。

この意味では、77円関門~77円台半ばはこれから重要なサポートゾーンを果たす見通しだ。今週反落が先行されても、あくまで前記シナリオの一環として位置づける。