【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25053.11 ▼53.22 (2/11)
NASDAQ: 7307.91 △9.71 (2/11)
1.概況
先週末の米国市場は米中の貿易協議の不透明感や世界経済の減速懸念が引き続き重石となるなか小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は127ドル安でスタートすると下げ幅を広げ昼前には286ドル安まで売られました。午後に入って持ち直す展開となったダウ平均は引けにかけてさらに下げ幅を縮めると結局63ドル安の25,106ドルと3日続落となっています。
一方でS&P500株価指数が1ポイント高の2,707ポイントと3日ぶりに反発したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も9ポイント高の7,298ポイントとこちらも3日ぶりの反発となっています。
昨日の米国市場は新たな材料に乏しいなかで小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は取引開始直後に90ドル高まで買われましたが、買いが続かず上げ幅を縮めるとまもなくして下落に転じその後は軟調な展開となりました。取引終盤に100ドル安近くまで売られる場面もあったダウ平均は引けにかけてやや持ち直したものの結局53ドル安の25,053ドルと4日続落となっています。一方でS&P500株価指数が1ポイント高の2,709ポイントと続伸となったほか、ナスダック総合株価指数も9ポイント高の7,307ポイントと続伸となっています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
先週末の米国市場で業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品や情報技術、公益事業などの7業種が上げました。一方でエネルギーや金融などの4業種が下げています。
昨日の米国市場で業種別S&P500株価指数は全11業種のうち資本財・サービスやエネルギー、金融などの8業種が上げました。一方でコミュニケーション・サービスとヘルスケア、公益事業の3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
先週末の米国市場では、目標株価の引き上げを受けてユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)が1%を超える上昇となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、ダウ平均構成銘柄ではファイザー(PFE)とシスコシステムズ(CSCO)も1%以上上げています。一方でユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が2%を上回る下げとなり、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)とウォルマート・ストアーズ(WMT)も1%以上下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、四半期決算で最終損益が黒字に転じた玩具のマテル(MAT)が急伸し23%以上上げています。さらに新ゲームの滑り出しが好調と発表したゲームソフトのエレクトロニック・アーツ(EA)も16%余り上げました。
昨日の米国市場では電気自動車のテスラ(TSLA)が目標株価の引き上げを受けて2%以上上げました。また、レンタカー大手のエイビス・バジェット・グループ(CAR)が投資判断の引き上げを好感して7%を超える上昇となっています。さらに鉄道輸送のノーフォーク・サザン・コーポレーション(NSC)が2021年までに経営効率を大幅に改善する目標を示したことで3%を超える上昇となりました。一方で投資判断の引き下げを嫌気して半導体のエヌビディア(NVDA)が1%余りの下落となっています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.02%低い2.63%となりました。昨日の長期金利は0.02%高い2.65%となっています。ドル円は円安に振れ110円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場はドル円が円安となっていることや先週末に大きく下げた反動もあり上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばし節目の20,500円を試すような展開をみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)