東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は122円安の2万751円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、新興市場のマザーズ指数と主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要指数が下落したことを受け、日経平均は61円安の2万812円と小幅に反落して寄り付きました。日経平均はまもなく29円安まで下げ幅を縮めましたが、そこが1日の高値になるとその後は下げ幅を広げる展開となりました。10時過ぎに一時208円安をつける場面もあった日経平均はその後やや下げ幅を縮めて前場を137円安で終えました。日経平均は後場に入ると前引け近辺でのもみ合いとなり大きな値動きは出ず、結局122円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆5553億円となりました。

東証33業種はソフトバンクグループ(9984)が上昇を牽引した情報・通信業のみ上昇し残る32業種は下げました。中でも石油石炭製品、パルプ・紙、鉱業、不動産業、建設業などの下落率が高くなりました。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループが売買代金トップの商いを集めて18%近い大幅高となりました。昨日行った決算発表で投資先の株価下落で足を引っ張ると思われていた投資部門が堅調な業績だったほか、自社株買いの実施を発表したことがサプライズとなり買いを集めました。ソフトバンクグループは日経平均を166円あまり引き上げています。その他の売買代金上位銘柄は武田薬品(4502)、キーエンス(6861)、資生堂(4911)が上昇しました。一方で任天堂(7974)、ソニー(6758)、トヨタ自動車(7203)、ZOZO(3092)、ファーストリテイリング(9983)、三菱UFJ(8306)がいずれも下落しました。中でもZOZOは一時7%超下げたものの終値は1.1%安と値動きの荒い展開でした。

その他材料が出たところでは、医薬品メーカーの鳥居薬品(4551)が13%近い大幅安となりました。10-12月の決算が減収減益で冴えず最終赤字に転落したことが嫌気されました。また、同じく10-12月決算が大幅な減収減益で最終赤字に転落したスマートフォン向けゲームのコロプラ(3668)も10%近く下げています。一方で減益決算となったものの業績が市場予想ほど落ち込まなかったマツダ(7261)は6.4%の大幅高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

ソフトバンクグループが大幅に上昇して日経平均を166円あまり引き上げたものの日経平均は122円安ということで、実質的には日経平均は300円近く下げたと見ることができます。外需関連銘柄を中心にやや冴えない決算が目立っており、一段の上値を追うには力不足と捉えられているのかもしれません。本日の大引け後にはNTT(9432)、日本テレビホールディングス(9404)、西武ホールディングス(9024)、富士フイルムホールディングス(4901)などが決算発表を行いました。明日のマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)