【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 24999.67  ▼15.19 (1/31)
NASDAQ: 7281.74  △98.66 (1/31)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ・デュポン(DWDP)やゴールドマン・サックス(GS)の下げが重石となったダウ平均は3日ぶりに小幅に反落となりましたが、フェイスブック(FB)の急伸を受けてS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は続伸となりました。

取引開始後まもなくして172ドル安まで売られたダウ平均は下げ幅を縮めると昼過ぎに小幅なプラスに転じましたが、上値が伸び悩むと直ぐに下落に転じその後は軟調な展開が続きました。ダウ平均は引けにかけて持ち直すと引け間際にプラスとなる場面もありましたが、戻し切れず結局15ドル安の24,999ドルで取引を終え節目の25,000ドルをわずかに下回っています。

一方でS&P500株価指数が23ポイント高の2,704ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も98ポイント高の7,281ポイントとなり1%を超える上昇となっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比5万3000件増の25万3000件となり市場予想を上回る悪化となりました。また、2018年10-12月期の米雇用コスト指数は前期比0.7%上昇したものの市場予想を下回りました。さらに1月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も56.7と前月から低下し市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、通信サービスが3%以上上昇したほか、公益事業も2%余り上げました。また、生活必需品も2%近く上昇しています。一方で素材と金融、情報技術の3業種が下げ、素材は1%を超える下落となりました。

4.個別銘柄動向

決算が市場予想を上回る増収増益となったフェイスブックが目標株価の引き上げが相次いだこともあって急伸し11%近く上げました。また、決算で売上高が市場予想を上回ったゼネラル・エレクトリック(GE)も急伸し11%以上上げています。物流大手のUPS(UPS)も決算で1株利益が市場予想を上回ったことで4%を上回る上昇となっています。

一方で決算で売上高が市場予想を下回ったうえ、2019年1-3月期が減収になるとの見通しを示したことでダウ・デュポンが9%を超える下落となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。さらに長期金利の低下を受けてゴールドマン・サックスも2%を上回る下げとなり、ダウ・デュポンとゴールドマン・サックスの2銘柄でダウ平均を70ドル近く押し下げています。決済サービスのペイパル・ホールディングス(PYPL)も2019年1-3月期の見通しが市場予想を下回ったことで4%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%低い2.63%となりました。ドル円は108円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場でナスダック総合株価指数が大幅高となったこともあって本日の日本市場は堅調なスタートが予想されます。こうしたなか昨日に200円以上上げた日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)