英ポンド/円 (139.00~147.00)  1月31日〜2月6日まで

アナリシス:

皆さん、こんにちは! インフルエンザの流行で、体調を崩される方が多くなっています。体調管理をしっかりとしていきたいですね。

29日は英国下院議会において、EU離脱協定のプランBと言われる修正案が可決されました。修正案はバックストップ(安全策)を代替措置に置き換える内容となったため、賛成317票、反対301票の結果となりました。

これを受け、メイ英首相はEUに離脱協定の再交渉を求める方針を示しています。「バックストップ」について法的拘束力のある変更を求めるとしていますが、トゥスクEU大統領は再交渉の可能性を明白に否定しており、実現は極めて難しい状況です。

メイ首相は同修正案の可決後に下院で行った演説で「バックストップへの懸念に対処すると同時に、アイルランドと英領北アイルランドの間の厳格な国境検査の再開を防ぐような、法的拘束力のある変更をEUに求める」と話しています。

ただ、「EUにはこうした変更への意欲は薄く、交渉は容易ではないだろう」との認識も示しています。メイ首相は30日にアイルランドのバラッカー首相と会談。週内にEU首脳とも会談を予定しています。

一方、EUのトゥスク大統領は広報官を通じ「離脱協定は英国の秩序あるEU離脱を実現するための唯一にして最良の方法」とコメントしており、「バックストップは離脱協定の一部分であり、離脱協定の再交渉は行わない」としています。

「バックストップ」は移行期間中に英・EU間の貿易協定がまとまらなかった場合に、アイルランドと英領北アイルランドの間の厳格な国境検査を避けるため、英国全体がEU関税同盟にとどまる措置のことを言います。与党・保守党内の離脱強硬派は、これが恒久化することを危惧して反対していたため、メイ首相は離脱協定への支持獲得に向け、これを別の措置に置き換える修正案を自ら支持しました。

同首相は今後2週間に渡りEUと「バックストップ」を巡る変更を協議した上で、2月13日までに再び下院で離脱協定の承認を問う考えです。下院が再びこれを否決すれば、再度、下院議員からさまざまな修正案が提出されることになります。

なお、英下院は29日に合意なきEU離脱を拒否する案も可決しましたが、この決定に法的拘束力はないとしています。現時点で英国は、合意の有無にかかわらず3月29日にEUを離脱することになっています。

他方、本日未明のFOMCで米政策金利が据え置きとなったことを受け、米ドル売りの地合いとなりました。FOMC声明では前回よりもハト派色が強くなったと報じられており、物価上昇力が低下し、原油安の影響で一段と下振れしかねないとの見方がされています。また、米政府機関の一部閉鎖や世界的な景気減速、関税問題も指摘されています。

パウエルFRB議長は、会見の中で金融政策の運営には一層の忍耐強さが必要と繰り返し述べており、当面は様子見の姿勢が妥当だと発言しています。

昨日の米ADP雇用統計の結果は良好となり、一時米ドル買いに動いたものの、夜間で一気に米ドル売りに転じる相場となりました。

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/円(月足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。前回の想定通り、再度トレンドレス内の価格内に戻ってきて真ん中に向かって上昇中。

続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/円(週足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。3週連続で上昇しましたが、今週頭から下げに転じており、本日未明のFOMCを受けて、より一層下落しています。週足ベースでは140.50円のサポートラインまで下落することは容易ですし、上は147.00円付近までの上昇も可能と想定します。

最後に、日足チャートです。

【図表3】英ポンド/円(日足)
出所:筆者作成

トレンドレス上段。このまま一旦下落をしたら、ミドルラインまで落ちることが可能と想定します。上昇するなら、+2σまでとなります。当面は、方向感がない動きとなりそうです。

それでは、向こう1週間の重要指標です。

 

1月31日(木)
19:00 EUR・GDP速報値
22:30 米・四半期雇用コスト指数、個人消費支出

2月1日(金)
19:00 EUR・消費者物価指数
22:30 米・雇用統計

2月2日(土)
0:00 米・ISM製造業景況指数

2月6日(水)
0:00 米・ISM非製造業景況指数

 

以上の分析から、エントリーポイントとしては以下のとおりです。

予想レンジ:139.00~147.00

メインストラテジー:

買いをするなら、
・139.00円〜139.20円の月足トレンドレス下段逆張りを根拠にエントリー。
・140.40円〜140.60円の週足サポートライン+4時間足−2σトレンドレス下段逆張りを根拠にエントリー

売りをするなら、
・142.70円を下にブレイクしたら1時間足ダウントレンドと認識して、短期足の戻り目でエントリー
・4時間足トレンドレス上段+2σ付近(価格未定)からの逆張りを根拠にエントリー
・日足トレンドレス下段+2σ付近(価格未定)からの逆張りを根拠にエントリー