【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25014.86 △434.90 (1/30)
NASDAQ: 7183.08 △154.79 (1/30)
1.概況
米国市場はアップル(AAPL)やボーイング(BA)の市場予想を上回る決算やハト派的なFOMCの結果を受けて大きく上昇しました。246ドル高と大きく上昇して始まったダウ平均は昼過ぎに390ドル高近くまで上げ幅を広げるなど堅調に推移するとFOMCの結果を受けて一段高となり一時は529ドル高まで買われる場面もありました。引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局434ドル高の25,014ドルと続伸し節目の25,000ドルを回復して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も154ポイント高の7,183ポイントと3日ぶりに反発しています。
2.経済指標等
米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策に変更はありませんでした。しかし、声明文では段階的な追加利上げが適切との表現が削除され、忍耐強く経済動向を分析して対応する方針を示し利上げの一時停止を示唆する内容となりました。また、保有資産の縮小についても調整する用意があるとし柔軟に対応する姿勢が示されました。1月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は21万3000人増となり市場予想を上回りました。一方で2018年12月の中古住宅仮契約指数は前月比2.2%低下の99.0となり上昇を見込んでいた市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも情報技術が3%高となったほか、一般消費財・サービスも2%を超える上昇となっています。また、資本財・サービスとヘルスケア、エネルギー、通信サービス、素材も1%以上上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。そのなかでも決算で1株利益が市場予想を上回ったアップルが7%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、市場予想を上回る増収増益の決算を発表したボーイングも6%を超える上昇となりました。アップルとボーイングの2銘柄でダウ平均を230ドル近く押し上げています。また、マイクロソフト(MSFT)も3%以上上昇したうえ、キャタピラー(CAT)も3%近く上げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が2019年12月期の売上高の伸び率の見通しが市場予想を上回ったことなどで急伸し20%近く上げています。一方で決算で売上高が市場予想を下回った通信大手のAT&T(T)が4%以上下げています。19年12月期通期の業績見通しが市場予想に届かなかったバイオ製薬のアムジェン(AMGN)も4%近く下げています。なお、取引終了後に決算を発表したフェイスブック(FB)は純利益が四半期として過去最高となったことなどから時間外で一段高となっています。同じく取引終了後に決算を発表した電気自動車のテスラ(TSLA)は1株利益が市場予想に届かなかったことなどから時間外で下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%低い2.67%となりました。ドル円は109円近辺で推移しています。FOMCの結果を受けて一時は108円台後半まで円高が進む場面もありました。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)