東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は108円安の2万556円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。中でもマザーズ指数は8%超の大幅下落となりました。マザーズ指数の先物取引はサーキットブレーカー制度が発動し、一時取引が停止された時間帯もありました。昨日の米国市場で主要指数が高安まちまちで材料になりにくいなか、日経平均は36円高と小動きで寄り付きました。日経平均は寄り付きがほぼ1日の高値になるとすぐにマイナスに転じてその後は1日を通してマイナス圏での推移となりました。一時は137円安まで下落した日経平均はやや下げ場を縮めて前場を109円安で終えました。日経平均は後場に入ってもマイナス圏での推移が続き結局108円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆4801億円となりました。東証33業種は石油石炭製品、鉄鋼、化学、卸売業の4業種のみ上昇し残る29業種は下落しました。中でも証券商品先物が3%を超える下げとなったほか、電気・ガス業、その他金融業、繊維製品、倉庫運輸関連が1%以上下げています。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は下げた銘柄が多くなりました。売買代金トップの武田薬品(4502)が1%超上げたほか、村田製作所(6981)や信越化学(4063)、SUMCO(3436)が上昇しました。信越化学は10-12月の売上高が13%の増収、営業利益が33%近い増益と堅調な決算が好感されました。一方でソフトバンク(9434)、ソフトバンクグループ(9984)、任天堂(7974)、トヨタ自動車(7203)、ファーストリテイリング(9983)、ソニー(6758)がいずれも下落しました。また、本日はマザーズ市場が非常にきつい下げとなりました。再生細胞薬開発のバイオベンチャーであるサンバイオ(4592)がストップ安となったことが大幅下落の主因です。同社が米国で行った臨床試験でネガティブな結果が出たことを発表したことで売りが膨らみました。同社の前期の売上高は5億円足らずにもかかわらず時価総額は6000億円近くまで増加していました。同社の下げは他のバイオ銘柄などにも波及し、オンコリスバイオファーマ(4588)、ジーンテクノサイエンス(4584)なども大きく売られました。一方でホームセンターのコメリ(8218)は7%超の大幅高となりました。10-12月の営業利益が前年同期比26%増と好調で、第3四半期時点で通期の営業利益予想に対する進捗率が93%超となったことで今後の上方修正期待も手伝って買われました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は反落しましたが、それ以上にマザーズ指数の急落のインパクトが大きい1日となりました。今夜の米国市場では連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表が行われます。FRBがバランスシート圧縮ペースを緩めるのではないかとの観測もあり発表内容が注目されます。また、本日の大引け後には日立建機(6305)、アドバンテスト(6857)、TDK(6762)、ヤマトホールディングス(9064)、JR東日本(9020)などが決算発表を行いました。明日のマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)