東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場はハイテク株への買いをけん引役に反発しました。日経平均は昨日の米国市場で主要3指数が高安まちまちとなったことから24円高の20,598円と小動きで寄り付きました。しかし、直ぐに上げ幅を広げると取引開始から15分余りで200円高余りまで上昇しました。日経平均は20,800円を前に一旦上値が伸び悩みましたが、徐々に持ち直すなか後場に入って一段高になると一時は269円高の20,844円まで買われました。その後やや上げ幅を縮めたものの堅調に推移した日経平均は結局198円高の20,773円と4日ぶりに反発して取引を終えています。

こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均はともに続伸となっています。

2.個別銘柄等

半導体製造装置のラムリサーチ(LRCX)や画像半導体大手のエヌビディア(NVDA)、半導体大手のテキサス・インスツルメンツ(TXN)などの市場予想を上回る決算を受けて昨日の米国市場で半導体関連株が大きく上昇した流れを引き継ぎ日本市場でも半導体関連銘柄が買われました。東京エレクトロン(8035)が4.7%高となったほか、SCREENホールディングス(7735)が6.3%高、アドバンテスト(6857)が4.9%高、SUMCO(3436)も11.6%高となっています。

また、次世代通信規格5G対応のチップを供給しているザイリンクス(XLNX)が決算を受けて米国市場で急伸したことで5G普及の恩恵を受けるとされる電子部品株も高く、村田製作所(6981)が6.1%高、太陽誘電(6976)が10.1%高、アルプスアルパイン(6770)も5.1%高となっています。さらに約17年ぶりの自社株買いに踏み切る公算が大きいと報じられたことで旭化成(3407)が4.9%高となりました。

一方でラーメンチェーンの幸楽苑ホールディングス(7554)が9.4%安と急落しました。通期の業績予想を上方修正したものの第4四半期(1-3月期)が最終赤字となる見通しだったことが嫌気されました。大東建託(1878)も2018年4-12月期の営業利益が10年ぶりに減益となったようだとの観測報道を受けて安く一時は2.7%安まで売られる場面もありました。引けは1.9%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は本日4日ぶりに反発し大幅高となったことで3週連続での上昇となりましたが、来週は重要イベントが目白押しのなかでこの勢いを維持できるかがポイントとなりそうです。来週は日本でも決算発表が本格化し30日以降数多くの企業が決算を発表する予定となっているほか、一足早く決算発表が始まった米国でもキャタピラー(CAT)やアップル(AAPL)、フェイスブック(FB)など注目企業の決算発表が相次ぎます。また、閣僚級の米中貿易協議や米連邦公開市場委員会(FOMC)、米雇用統計など決算発表以外の重要イベントも予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)