東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は29円安の2万593円と小幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数も下落しましたが、新興市場のマザーズ指数は1.1%高と上昇しています。なお日経平均の下落率は0.1%でしたがTOPIXは0.6%安となっています。
昨日の米国市場で主要指数が下落したことを受け日経平均は169円安の2万453円と続落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に184円安をつけましたがそこが1日の安値になるとその後は徐々に値を戻しました。10時半過ぎに一時プラスに転じた日経平均はその後は昨日の終値を挟んだもみ合いとなり前場を8円高と横ばい圏で終えました。
日経平均は後場に入って一時63円高まで上昇しましたが上値を追う力強さはなくまもなく上げ幅を縮めると、その後は昨日の終値を挟んだ狭い値幅での推移となりました。日経平均は結局29円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆9222億円と連日の2兆円割れとなりました。
東証33業種は情報・通信業と精密機器を除く31業種が下落しました。中でも石油石炭製品が3%超下げたほか、鉱業、ゴム製品、パルプ・紙、小売業、空運業が1%を超える下落となりました。東証1部の上昇銘柄数469に対し下落は1,586と下落銘柄が多くなりました。なお日銀の金融政策決定会合は市場の予想通り物価上昇率見通しの引き下げおよび金融政策の現状維持が決定されました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下落しました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)と2位のファーストリテイリング(9983)こそ上昇したものの、任天堂(7974)、武田薬品(4502)、トヨタ自動車(7203)、ZOZO(3092)、SUBARU(7270)、ソニー(6758)、みずほ(8411)、ソフトバンク(9434)がいずれも下落しました。ZOZOの下げはとまらず本日も6%近い大幅安となりました。また、部品メーカーから調達している主要部品に不具合が見つかり群馬製作所の操業を停止していると報じられたSUBARUは3.4%安と軟調でした。
その他材料が出たところでは、ジャパンディスプレイ(6740)が19%近い大幅高となりました。台湾や中国からの出資受け入れを検討していると報じられたことが材料視されました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は小幅な下げにとどまった一方で、TOPIXはやや大きめの下げとなりました。昨日の米国市場は下落しましたが昨日日本市場は先んじて下げておりある程度織り込んでいたとみられます。引き続き米中の貿易交渉を巡る報道に一喜一憂といった展開が予想されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)