金融市場作業部会による株価PKOから米国株はリバウンド中
前回のレポート「米国市場、恐怖と欲望指数で相場の底を探る」に書いた<年金PKO>によって、米国株は大きくリバウンドした。しかし、この上昇はあくまで急落の後の自律反発相場に過ぎない。ファンダメンタル的には米中の貿易戦争も英国のブレグジットも3月にならないと答えは出てこない。現在は執行猶予期間中の楽観相場なのだ。
ムニューシン財務長官は、12月23日にBank of America、Citi、Goldman Sachs、JP Morgan Chase、Morgan Stanley、Wells Fargoの最高経営責任者に電話をかけた。そして、<大統領の金融市場作業部会>を招集した。これは、リーマンショック(金融危機)時の2009年以来の招集である。
金融市場作業部会はレーガン大統領が1987年の大幅株安を受けて設立した組織で、株価のPKO(プライス・キーピング・オペレーション)部隊である。金融当局者間の情報共有を踏まえ、当局の対応を市場に伝えて混乱を沈静化する役割がある。
NYダウ(日足)
レンジブレイクの売買シグナルとトレーリングストップライン(蛍光緑・紫)と大統領の金融市場作業部会の動き
レンジブレイクの売買シグナルとトレーリングストップライン(蛍光緑・紫)と大統領の金融市場作業部会の動き
ゴールドマンサックス(週足)
レンジブレイクの売買シグナルとトレーリングストップライン(蛍光緑・紫)
レンジブレイクの売買シグナルとトレーリングストップライン(蛍光緑・紫)
金融市場作業部会の要請を受けた米国の大手年金基金は、年末の数日間に640億ドルの資金を債券から株式に移した。これで株価は急騰した。
また金融市場作業部会は、誰もが知っている大手ヘッジファンドの運用者(名前は明かされていない)に対し、「株価を反騰させて市場を安定させるにはどうしたら良いか」を尋ねたという。いずれにせよ、トランプ政権の圧力によって相場が維持されているというのが、現在の米国株式市場の姿である。
NYダウ(日足)と1ヶ月~3ヶ月の市場参加者のコスト(赤のリボン)
NYダウ(日足)と逆張りシグナル △買いシグナル・♢売りシグナル
NYダウ(日足)
満月・新月・月食・日食・MOON DECLINATION(シカゴ筋に人気のアストロロジー・チャート)
満月・新月・月食・日食・MOON DECLINATION(シカゴ筋に人気のアストロロジー・チャート)
石原順の注目銘柄
マイクロソフト(ティッカーシンボル:MSFT):<ストップを置いて押し目買い方針>
【図表1】マイクロソフト(日足)逆張りのATRチャネルトレードモデル
エヌビディア(ティッカーシンボル:NVDA):<ストップを置いて押し目買い方針>
【図表2】エヌビディア(日足)逆張りのATRチャネルトレードモデル
【図表3】エヌビディア(週足)逆張りのATRチャネルトレードモデル
ベライゾン(ティッカーシンボル:VZ):<配当重視銘柄・ストップを置いて押し目買い方針>
【図表4】ベライゾン(日足)逆張りのATRチャネルトレードモデル
【図表5】ベライゾン(週足)逆張りのATRチャネルトレードモデル
IBM(ティッカーシンボル:IBM):<配当重視銘柄・ストップを置いて押し目買い方針>
【図表6】IBM(日足)逆張りのATRチャネルトレードモデル
【図表7】IBM(週足)逆張りのATRチャネルトレードモデル
テスラ(ティッカーシンボル:TSLA):<ストップを置いて戻り売り方針>
【図表8】テスラ(日足)逆張りのATRチャネルトレードモデル
【図表9】テスラ(週足)逆張りのATRチャネルトレードモデル
日々の相場動向については、ブログ『石原順の日々の泡』を参照されたい。