【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 24370.10  △162.94 (1/17)
NASDAQ: 7084.46  △49.77 (1/17)

1.概況

米国市場は中国に対する関税撤廃への期待から3日続伸となりました。取引開始直後に118ドル安まで売られた後下げ幅を縮めたダウ平均は昼前にプラスに転じると前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開となりましたが、取引終盤になってムニューシン米財務長官が中国に課している追加関税の撤廃を提案していると伝わると一気に買われ267ドル高まで上昇しました。その後、貿易協議の責任者であるライトハイザー米通商代表部代表が対中関税の撤廃に反対していると伝わったこともあり上げ幅を縮めたダウ平均は結局162ドル高の24,370ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も49ポイント高の7,084ポイントとなっています。

2.経済指標等

1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は17.0と前月から上昇し市場予想も上回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週比3000件減の21万3000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも素材と資本財・サービスが1%を超える上昇となったほか、エネルギーとヘルスケアも1%近く上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が上げました。そのなかでもダウ・デュポン(DWDP)が3%近く上げたほか、キャタピラー(CAT)も2%以上上げました。ボーイング(BA)とナイキ(NKE)も2%近く上げています。一方で目標株価の引き下げを受けてホームデポ(HD)が1%を超える下落となりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。ダウ平均構成銘柄以外ではトランプ米大統領が演説でミサイル防衛の強化を打ち出したことで防衛関連が買われ、ノースロップ・グラマン(NOC)が3%を上回る上昇となったうえ、ロッキード・マーチン(LMT)も2%以上上げています。さらに小規模事業者向けのデビットカードサービスを始めたと発表した決済サービスのスクエア(SQ)も4%を超える上昇となっています。モルガン・スタンレー(MS)は決算で売上高や1株利益が市場予想を下回ったことで4%を超える下落となりました。ハードディスク駆動装置のウエスタン・デジタル(WDC)も目標株価の引き下げを受けて3%以上下げています。また、取引終了後に決算を発表した動画配信サービス大手のネットフリックス(NFLX)は契約者数の伸びが市場予想を下回ったことなどから時間外で大きく売られています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い2.75%となりました。ドル円は109円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。日本電産(6594)の業績下方修正が相場の重石となりそうですが、そうしたなかで日経平均が節目の20,500円を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)