【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 24001.92  △122.80 (1/10)
NASDAQ: 6986.07  △28.99 (1/10)

1.概況

米国市場は米中貿易交渉の進展を好感した買いが続き5日続伸となりました。百貨店のメーシーズ(M)やアメリカン航空(AAL)の下落を受けて取引開始後まもなくして175ドル安まで売られたダウ平均はその後持ち直すとプラスに転じ90ドル高余りまで買われましたが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演でバランスシートを大きく縮小する方針を明らかにすると再びマイナスに転じ80ドル安余りまで下落しました。しかし、取引終盤に持ち直すと引けにかけて一段高となり結局122ドル高の24,001ドルと節目の24,000ドルをおよそ1カ月ぶりに回復して取引を終えています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も28ポイント高の6,986ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万7000件減の21万6000件と市場予想を上回る改善となりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスを除く10業種が上げました。そのなかでも不動産と資本財・サービス、公益事業が1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

投資判断の引き上げを受けてボーイング(BA)が2%を超える上昇となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。ボーイングは1銘柄でダウ平均を60ドル近く押し上げています。また、ツイッター(TWTR)も投資判断の引き上げを受けて2%を超える上昇となったほか、酒類販売のコンステレーション・ブランズ(STZ)も投資判断の引き上げを好感して6%近く上げています。

一方で通期の業績予想を下方修正したメーシーズが急落し18%近く下げました。百貨店のコールズ(KSS)も年末商戦期の既存店売上高の伸びが鈍化したと発表したことで5%近く下げています。さらに通期の1株利益予想を下方修正したアメリカン航空も4%を上回る下げとなりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い2.74%となりました。ドル円は108円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

日本市場は円高の一服と米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸し昨日の下げを取り戻すような動きとなるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)