【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 24527.27  △157.03 (12/12)
NASDAQ: 7098.31  △66.48 (12/12)

1.概況

米国市場は中国政府が情報技術関連産業の高度化を目指す中国製造2025を見直す方針と伝わり米中関係が改善に向かうとの期待から上昇しました。ダウ平均は138ドル高でスタートするとさらに上げ幅を広げ昼過ぎに460ドル高近くまで買われました。その後上げ幅を縮める展開となったダウ平均ですが結局157ドル高の24,527ドルで取引を終え反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も66ポイント高の7,098ポイントと3日続伸となっています。

2.経済指標等

11月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.2%上昇し市場予想と一致しました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスや素材、ヘルスケアなどの8業種が上げ、一般消費財・サービスが1%余り上昇したほか、素材も1%近く上げています。一方で不動産と公益事業、生活必需品の3業種が下げ、不動産は2%近く下落しています。

4.個別銘柄動向

米中関係が改善に向かうとの期待から半導体関連株が買われました。半導体のブロードコム(AVGO)が3%を超える上昇となったほか、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)も2%を上回る上昇となっています。また、カナダのスポーツ衣料大手のルルレモン・アスレティカ(LULU)も投資判断の引き上げを受けて5%近く上げています。ホームセンター大手のロウズ(LOW)も100億ドルの自社株買いを発表したことなどで3%近く上げています。

一方で2019年の北米事業の見通しが失望されスポーツ用品のアンダーアーマー(UAA)が急落し10%安となっています。ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)も投資判断の引き下げを受けて3%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い2.91%となりました。ドル円は113円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が上昇したことから昨日の堅調な地合いを引き継いでのスタートが予想されます。450円以上上げた後で利益確定の売りも出やすいことから日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)