【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 24370.24  ▼53.02 (12/11)
NASDAQ: 7031.83  △11.31 (12/11)

1.概況

米国市場は米中の貿易交渉が進んでいるとの期待が相場を支える一方で、予算編成を巡るトランプ米大統領と野党民主党幹部の対立が重石となり小幅に高安まちまちとなりました。

ダウ平均は296ドル高でスタートすると直後に370ドル高近くまで買われましたが、上げ幅を縮めると昼過ぎにマイナスに転じ200ドル安余りまで下げ幅を広げました。その後持ち直し180ドル高余りまで上昇したものの引けにかけて上げ幅を縮めると引け間際に再び下落に転じ結局53ドル安の24,370ドルで取引を終え反落となっています。また、S&P500株価指数も0.9ポイント安の2,636ポイントと反落となりました。

一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は11ポイント高の7,031ポイントと続伸となっています。

2.経済指標等

11月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.1%上昇し市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品や公益事業、ヘルスケアなどの8業種が上げました。一方で金融と資本財・サービス、素材の3業種が下げ、金融は1%安となっています。

4.個別銘柄動向

ナイキ(NKE)が好調な決算への期待から買われ1%を超える上昇となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、ダウ平均構成銘柄ではベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)とプロクター・アンド・ギャンブル(PG)、マイクロソフト(MSFT)も1%近く上げています。一方でトラベラーズ(TRV)とボーイング(BA)、ゴールドマン・サックス(GS)、ダウ・デュポン(DWDP)が1%以上下げました。JPモルガン・チェース(JPM)に加え、投資判断の引き下げを受けてファイザー(PFE)も1%近く下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、中国政府が米国から輸入する自動車にかける関税を現行の40%から15%に下げる検討をしていると伝わったことでゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーター(F)が堅調でした。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い2.88%となりました。ドル円は113円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場が小幅に高安まちまちとなり材料になりにくいなか本日の日本市場は大きく水準を切り下げた後ということもあって上昇してのスタートが予想されます。新たな買い材料に乏しいなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)