【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 24423.26 △34.31 (12/10)
NASDAQ: 7020.52 △51.27 (12/10)
1.概況
米国市場は反発しました。28ドル安と小幅に下げて始まったダウ平均は英国のメイ英首相がEU離脱に関する議会投票を延期したのを受けて大きく下げ幅を広げると昼前に507ドル安まで売られましたが、短期的な戻りを期待した買いからハイテク株を中心に買い戻しが入ると午後に入って持ち直し大きく下げ幅を縮める展開となりました。取引終盤にプラスに転じ111ドル高まで買われる場面もみられたダウ平均は結局34ドル高の24,423ドルで取引を終え4日ぶりに反発しています。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も51ポイント高の7,020ポイントと反発しました。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術や通信サービス、ヘルスケアなどの8業種が上げ、情報技術は1%を上回る上昇となりました。一方でエネルギーと金融、不動産の3業種が下げ、エネルギーと金融は1%を超える下落となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではマイクロソフト(MSFT)とインテル(INTC)が2%を超える上昇となりました。また、アップル(AAPL)は2017年に特許を侵害しているとしてiPhoneの販売と製造の差し止めを求める訴訟を起こしていたクアルコム(QCOM)が中国の裁判所がiPhoneの一部販売差し止めの仮処分を出したと発表したことで一時3%余り下落しましたが、アップルが新しい基本ソフトを搭載した端末は中国で引き続き販売を続けられるとの見解を示したことや、差し止め撤回を求める訴えを起こしたと伝わると買いが優勢となり小幅に上昇して取引を終えています。一方でJPモルガン・チェース(JPM)が2%近く下げたほか、エクソンモービル(XOM)とナイキ(NKE)も1%を超える下落となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、フェイスブック(FB)が自社株買い枠の増額を届け出たことで3%を上回る上昇となったほか、トランプ米大統領が2020会計年度の国防予算を前年比で増やす方針と伝わりロッキード・マーチン(LMT)が4%を超える上昇となっています。物流大手のフェデックス(FDX)は目標株価と投資判断の引き下げを受けて4%以上下げました。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%高い2.86%となりました。ドル円は円安に振れ113円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が持ち直し反発したことから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)