【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25826.43 △287.97 (12/3)
NASDAQ: 7441.51 △110.98 (12/3)
1.概況
米国市場は1日の米中首脳会談で米国による中国製品への追加関税の発動を90日間猶予し、米中で米企業への技術移転の強要や知的財産保護などの5分野で協議を開始することで合意したことを好感して続伸となりました。241ドル高と大きく上昇して始まったダウ平均は取引開始直後に440ドル高余りまで買われた後昼前に130ドル高余りまで上げ幅を縮める場面もありましたが、午後に入って持ち直すと結局287ドル高の25,826ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も110ポイント高の7,441ポイントとなっています。
2.経済指標等
11月の米ISM製造業景況感指数は59.3と前月から上昇し市場予想も上回りました。また、 11月の米新車販売台数も年率換算で1749万台となり市場予想を上回っています。一方で10月の米建設支出は前月比0.1%減少し増加を見込んでいた市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品を除く10業種が上げました。そのなかでもエネルギーと一般消費財・サービス、情報技術が2%を超える上昇となっています。
4.個別銘柄動向
米中首脳会談を受けて米中貿易摩擦への懸念が後退したことでボーイング(BA)が4%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり、ダウ平均を1銘柄で90ドル押し上げました。また、ダウ平均構成銘柄ではナイキ(NKE)も4%近く上げたほか、アップル(AAPL)も3%を超える上昇となりました。一方で投資判断の引き下げを受けてベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)が3%以上下落しダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。
ダウ平均構成銘柄以外では、米中貿易摩擦への懸念が後退したことで半導体関連株が買われ、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が11%以上上昇し急伸したうえ、マイクロン・テクノロジー(MU)も4%近く上げています。画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)も4%高となっています。さらに農機・建機のディア(DE)は中国が米農産物購入拡大で合意したことで5%近く上げています。放送大手のトリビューン・メディア(TRCO)は同業への身売りで合意したと発表したことで急伸し12%近く上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い2.97%となりました。ドル円は113円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。7日続伸で利益確定の売りも出やすいなかで日経平均が昨日までの堅調な地合いを維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)