【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25538.46  △199.62 (11/30)
NASDAQ: 7330.54  △57.46 (11/30)

1.概況

先週末の米国市場は米中首脳会談への期待から反発しました。一時90ドル安近くまで売られるなど午前中は軟調な展開が目立ったダウ平均ですが、午後に入って買いが優勢となるなか米中首脳会談について中国政府の関係者が意見の相違はなお残っているものの一致する点が着実に増していると語ったと伝わると米中首脳会談への期待から上げ幅を広げる展開となりました。引け間際に210ドル高まで買われたダウ平均は結局199ドル高の25,538ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も57ポイント高の7,330ポイントとなりました。

2.経済指標等

11月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)は66.4と前月から上昇し市場予想も上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーを除く10業種が上げました。そのなかでも公益事業とヘルスケア、情報技術、資本財・サービス、不動産が1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

米中首脳会談への期待からボーイング(BA)が4%を超える上昇となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、ダウ平均構成銘柄では、インテル(INTC)も3%以上上げたほか、コカ・コーラ(KO)も3%近く上昇しています。ダウ平均構成銘柄以外では、原油価格の下落を受けて空運株が買われ、アメリカン航空(AAL)が4%以上上げたほか、デルタ航空(DAL)も3%を上回る上昇となっています。一方で複数の元社員が米証券取引委員会(SEC)に対し保険事業で巨額の引当金計上が必要となるリスクが見過ごされ経営陣の管理がずさんだったと報告したと伝わったゼネラル・エレクトリック(GE)が5%以上下げています。さらにホテルチェーン大手のマリオット・インターナショナル(MAR)も不正アクセスを受け約5億人分の個人情報が流出した恐れがあると発表したことで5%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.04%低い2.99%となり、9月17日以来の3%割れとなりました。ドル円は米中首脳会談が決裂とならなかったことでやや円安に振れ113円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は先週末の米国市場が上昇したことや、1日の米中首脳会談で米国が年明けに予定していた中国への追加関税を90日間猶予し、米中で米企業への技術移転の強要や知的財産保護などの5分野で協議を開始することで合意したこともあって上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の22,500円を上回ってどこまで上値を伸ばせるのかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)