【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25338.84  ▼27.59 (11/29)
NASDAQ: 7273.08  ▼18.51 (11/29)

1.概況

米国市場は米中首脳会談を控え様子見となり4日ぶりに小幅反落となりました。前日に大幅高となった反動から22ドル安でスタートし昼前に163ドル安まで売られたダウ平均は徐々に下げ幅を縮めるとFOMC議事要旨を受けて取引終盤にプラスとなり112ドル高まで買われましたが、米中首脳会談を控え様子見となり引けにかけて上げ幅を縮める展開となりました。引け間際にマイナスに転じたダウ平均は結局27ドル安の25,338ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も18ポイント安の7,273ポイントとなりました。

2.経済指標等

11月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では多くの参加者がさらなる利上げが適切との見方をする一方で、一部の参加者が政策金利が中立金利に近い可能性があるとの認識を持っていることが分かりました。また、10月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.6%増となり市場予想を上回りました。米個人所得も前月比0.5%増となり市場予想を上回っています。一方で変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレータは前年同月比1.8%上昇に止まり市場予想を下回っています。

先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週比1万件増の23万4000件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。10月の中古住宅販売仮契約指数も前月比2.6%低下の102.1となり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや素材などの6業種が上げました。一方で情報技術や金融などの5業種が下げ、情報技術は1%近く下落しています。

4.個別銘柄動向

長期金利の低下を受けて金融株が総じて軟調で、モルガン・スタンレー(MS)やシティグループ(C)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)、ゴールドマン・サックス(GS)、JPモルガン・チェース(JPM)などが1%前後の下落となりました。また、決算で11月-1月期の見通しが市場予想を大きく下回った衣料のエクスプレス(EXPR)が5%安となりました。さらに投資判断の引き下げ受けてアメリカン・エキスプレス(AXP)も1%以上下落しています。

一方で衣料品のアバクロンビー・アンド・フィッチ(ANF)が決算で売上高が市場予想を上回ったことで急伸し20%余り上げています。マクドナルド(MCD)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて1%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%低い3.03%となりました。早期の利上げ打ち止め観測も出るなかで一時は3%を下回る場面もありました。ドル円は113円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅な下落に止まったことから小動きでのスタートが予想されます。米中首脳会談を控え様子見となりやすいなかで日経平均が200日移動平均線(昨日時点で22,295円)を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)