【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 24465.64 ▼551.80 (11/20)
NASDAQ: 6908.82 ▼119.65 (11/20)
1.概況
米国市場は小売り大手の決算が失望となったことや原油価格の大幅下落が嫌気されたことに加え、ハイテク株への売りが続いたことなどから大幅続落となりました。ダウ平均は398ドル安でスタートすると600ドル安近くまで下落した後一旦300ドル安程度まで持ち直す場面もありましたが、午後に入って再び下げ幅を広げると取引終盤には650ドル安近くまで売られました。引けにかけてやや下げ幅を縮めたダウ平均は結局551ドル安の24,465ドルで取引を終え続落となりました。この結果ダウ平均は年初来で再びマイナスとなっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も119ポイント安の6,908ポイントと3日続落となりました。
2.経済指標等
10月の米住宅着工件数は年率換算で前月比1.5%増の122万8千戸となり市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーが3%を超える下落となったほか、一般消費財・サービスと情報技術、資本財・サービス、金融も2%以上下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。そのなかでも目標株価の引き下げを受けてアップル(AAPL)が5%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、ゴールドマン・サックス(GS)とウォルト・ディズニー(DIS)も3%以上下げました。キャタピラー(CAT)やエクソンモービル(XOM)、マイクロソフト(MSFT)、シェブロン(CVX)なども3%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外では決算が失望となりディスカウントストアのターゲット(TGT)と百貨店のコールズ(KSS)が急落しました。ターゲットは既存店売上高が市場予想を下回ったことに加え、売上高利益率が低下したことなどが嫌気され11%以上下げました。コールズは厳しい年末商戦になる可能性が示され通期の利益見通しが市場予想を下回ったことで9%を超える下落となっています。また、見通しが市場予想に届かなかったことでディスカウントストア大手のTJX(TJX)も4%以上下げています。一方で家電量販大手のベスト・バイ(BBY)は決算で既存店売上高が市場予想を上回ったことなどで2%を上回る上昇となっています。また、前日まで2日続けて急落となった画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)は著名な米空売り投資家が買いを入れたと表明したことで反発し3%高となっています。
5.為替・金利等
長期金利は変わらずの3.06%となりました。ドル円は112円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。日経平均は節目の21,500円を下回って下げ幅を広げそうですが、こうしたなかで朝方の売り一巡後に下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)