東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は238円安の2万1583円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数に新興市場のマザーズ指数と主要指数は総じて下落しました。中でもマザーズ指数は3%近い大幅安となっています。昨日の米国市場でダウ平均が400ドル近い大幅安となったことを受け、日経平均は238円安の2万1582円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に300円安近くまで下げ幅を広げましたがその後は持ち直し、一時は130円安あまりまで値を戻しました。前場を187円安で終えた日経平均は後場寄りから再び下げ幅を広げると前場につけた安値近辺まで下落しました。引けにかけてやや持ち直した日経平均ですが、結局238円安と寄り付きと同水準で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆3369億円となりました。東証33業種は陸運業や電気・ガス業、卸売業など11業種が上昇しましたが、その他製品や石油石炭製品、鉱業など22業種が下げています。

2.個別銘柄動向等

東証1部の売買代金上位銘柄は大きく下げた銘柄が多くなりました。会長のカルロス・ゴーン氏の逮捕を受け、日産(7201)は売買代金トップの商いを集めて5.5%の大幅安となりました。同じくゴーン氏が会長を務める三菱自動車(7211)も7%近い大幅安となっています。その他売買代金2位の任天堂(7974)が6%近く、ソフトバンクグループ(9984)も5%近い大幅安となっています。さらに、三菱UFJ(8306)、ソニー(6758)、ファーストリテイリング(9983)もそれぞれ下落しました。一方でトヨタ自動車(7203)が1.6%高としっかりだったほか、武田薬品(4502)、三井住友(8316)も小幅に上昇しました。その他材料が出たところでは、大手証券が目標株価を引き上げた回転寿司の元気寿司(9828)は4%超の大幅高となっています。一方で通期の業績予想を上方修正した美容・健康機器メーカーのヤーマン(6630)は材料出尽くし感から売られて15%を超える大幅安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

米国株の大幅安を受け日経平均は238円安と反落しました。日経平均の予想PERは12倍に近づくなどバリュエーション面では割安感が出ていますが、米国の金利上昇や米中貿易戦争による実体経済の悪化など景気の停滞や今後の企業業績鈍化への警戒感から株価は軟調に推移しているのではと考えています。本格的な反発には米中の交渉進展などが求められるとみられます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)