今週は材料らしい材料に欠けるうえ、22日は米国市場がサンクス・ギビング・デーで休場、東京市場も23日は勤労感謝の日で3連休となることから、相場は「開店休業」状態、方向感なくもみ合いとなるだろう…というのがメインシナリオだが、こういう時こそ警戒が必要である。市場参加者が少なく、薄商いの中、値が飛びやすい。みんなが動かない、動けない、という隙を短期の投機筋に突かれて相場が崩れることはよくある。このところボラティリティーが落ち着いてきたけれど、今週はヘッジシナリオとして波乱にも備えたい。

ボラティリティーが落ち着いてきたと述べたが、徐々に下値が固まってきた。10月の急落時には2万1000円が底値となったが、先週は2万1500円を下値とするもみ合いだった。下値が固くなってきたのは為替が落ち着いていたことも要因のひとつだが、先週金曜日のNY市場で円高が進んだ点はマイナス材料。一方、このところ上海総合指数は堅調で、25日線は上向きに転換した。

基本は動かない相場だが、米中首脳会談を巡る報道は相場の錯乱要因になる。「中国に関税をこれ以上課す必要はないかもしれない。中国も取引成立を望んでいる」。先週金曜のNY市場で、トランプ米大統領のこの発言が伝わると、小幅安で推移していたダウ平均は一気に200ドルあまり上昇した。これから月末のG20までは米中首脳会談の観測報道がいちばんの相場材料になるだろう。

今週23日はブラックフライデー、年末商戦のスタートでもある。米国の個人消費の好調さを確認できるだろう。先週の「独身の日」の売上高は記録的な高水準だった。世界1位2位の経済大国の消費が堅調となれば、世界景気減速懸念も少しは和らいでくれるだろう。

予想レンジは2万1500円~2万2000円とする。