【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 44,156.73  △130.92 (1/22)
NASDAQ: 20,009.34  △252.56 (1/22)

1.概況

昨日の米国市場は、主要3指数が揃って続伸しました。トランプ大統領がAIインフラへの巨額投資計画を発表し、AI関連銘柄に買いが集まったほか、市場予想を上回る好決算を発表した個別銘柄への物色も相場を支えました。

一方で、トランプ大統領が21日の記者会見で中国の輸入品に10%の追加関税を課すことを検討していると明らかにしたことで、貿易政策の不透明感が相場の重荷となりました。ダウ平均は152ドル高で取引を開始し、182ドル高から16ドル高の範囲で一進一退を続けた後、最終的に130ドル高の44,156ドルで取引を終え、3日続伸となりました。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は252ポイント高の20,009ポイントと大幅上昇となり、約1ヶ月ぶりに2万ポイント台を回復しました。S&P500株価指数も37ポイント高の6,086ポイントで3日続伸しています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち9銘柄が下落となりました。特に公益事業が2%以上下落したほか、不動産とエネルギーが1%以上下落しました。一方で、情報技術とコミュニケーション・サービスの2業種が上昇となり、情報技術は2%超上昇、コミュニケーション・サービスは1%超上昇しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、30銘柄中13銘柄が上昇しました。特に、エヌビディア[NVDA]とマイクロソフト[MSFT]が4%以上の上昇を記録し、トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]は3%以上上昇、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]は2%近い上昇となりました。そのほか、スリーエム[MMM]、セールスフォース[CRM]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、アメリカン・エキスプレス[AXP]、ナイキ[NKE]も1%以上の上昇を見せました。一方で、17銘柄が下落し、特にホームデポ[HD]とジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]が2%近い下落を記録したほか、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、シェブロン[CVX]、シャーウィンウィリアムズ[SHW]、コカコーラ[KO]が1%以上の下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、オラクル[ORCL]がソフトバンクグループ(9984)とオープンAIと共同で出資する合弁事業「スターゲート」を通じて、米国内AIインフラに最大5000億ドルの民間投資を行う方針であることが発表されたことで、6.8%上昇し、前日に続き大幅高となりました。また、前日引け後に決算を公表したネットフリックス[NFLX]は、有料会員数が1,891万人増と市場予想を大きく上回ったほか、売上高とEPS(1株当たり純利益)が市場予想を上回り、通期の売上高見通しも上方修正したことで、9.7%上昇しS&P500株価指数の値上がり率ランキングでトップとなりました。一方、フォード・モーター[F]は、アナリストによる投資判断の格下げと目標株価の引き下げを受けて3.8%下落しました。また、ホテルやリゾートなどのホスピタリティ向けのアプリ開発を手掛けるアジリシス[AGYS]は、前日引け後に公表した決算でEPSが市場予想を上回ったものの、売上高が予想を下回り、通期ガイダンスでは売上高見通しを引き下げたことを受けて20%の急落となりました。

5.為替・金利等

米長期金利は前日比0.04%高い4.61%となりました。ドル円は、円安方向に進展し156円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、昨日の米国市場が続伸した流れを引き継ぎ、上昇して始まることが予想されます。日経平均は4万円台回復に向けて上げ幅を拡大できるかが注目される一方、金曜日の日銀金融政策決定会合の結果発表を控えた持ち高調整の売りも警戒され、国内長期金利や為替の動きをにらみながらの展開となりそうです。

個別銘柄では、昨日10%以上の大幅高となったソフトバンクグループの値動きに注目が集まるほか、昨日の米国市場でフィラデルフィア半導体株(SOX)指数が1.7%上昇したことを受け、半導体関連銘柄の上昇が期待されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)