東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は続落となりました。日経平均は1円高の21,804円とほぼ横ばいで寄り付くと直ぐに小幅なマイナスとなりましたが、下げ渋ったことでまもなくして切り返し70円高まで買われました。しかし、買いが続かず上値が伸び悩むと上げ幅を縮め再び下落に転じ前引け間際には117円安まで売られました。下げ幅を縮め65円安でスタートした後場は14時少し前に3円高まで持ち直す場面もありましたが、昨日の終値をわずかに上回ったところで上値が押さえられると再び下げ幅を三桁に広げ前場の安値を下回って139円安まで売られました。結局、日経平均は123円安の21,680円と安値圏で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数が反落となったほか、日経ジャスダック平均は6日続落となっています。
2.個別銘柄動向等
半導体製造装置関連銘柄が大きく下落しました。昨日の米国市場で取引終了後に決算を発表した半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)の収益の見通しが市場予想を下回り時間外で株価が大きく下落したことで日本の半導体製造装置関連銘柄にも売りが波及しました。東京エレクトロン(8035)が4.3%安、SCREENホールディングス(7735)が5.9%安、アドバンテスト(6857)が7.6%安となり、SCREENホールディングスは年初来安値を付けています。
また、同じく昨日の米国市場で取引終了後に決算を発表した画像処理半導体大手のエヌビディア(NVDA)も時間外で急落したことからファンドを通してエヌビディアに出資しているソフトバンクグループ(9984)が3.4%安となりました。さらにエヌビディアの決算を受けて任天堂(7974)が9.1%安と急落し年初来安値を更新しました。エヌビディアのゲーム用プロセッサーの売上高が減少したことでエヌビディアのゲーム用プロセッサーを使用しているニンテンドースイッチの販売が減速しているのではないかとの懸念が出て売りがかさみ一時は10%余り下落する場面もありました。
一方でマツモトキヨシホールディングス(3088)が5.1%高となりました。10月の既存店売上高が前年同期比2.2%増となり9月の1.6%減から改善したことが好感されました。協和発酵キリン(4151)も国内大手証券の目標株価の引き上げを受けて2.6%高と堅調でした。
VIEW POINT: 明日への視点
昨日の米国市場でダウ平均が200ドル以上も上昇したにも関わらず本日の日本市場で日経平均は三桁の下落となりました。昨日の米国市場で取引終了後に決算を発表したエヌビディアとアプライドマテリアルズが決算への失望から時間外で大きく下げたことが警戒され買いが続きませんでした。このため今晩の米国市場の動向が注目されますが、エヌビディアやアプライドマテリアルズへの失望がハイテク株全般に広がるのか、それとも個別の反応に止まるのかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)